今回、本当に展示車・試乗車の出回りがよく、幸いにも「ES350e”version.L” 」および「ES350e”Rr Comfort Package" 」、「ES500e ”version.L”」を確認することができました。
なお、日本国内での発売が遅れた分、生産体制を増強していたのか、ここ最近の新型車のように発売後、即「半年待ち」ということはなく、現時点では2〜3ヶ月間と、比較的短期間で納車ができるのは魅力ではありますね。
さて、「ES350e ”Rr Comfort Package" 」ですが、
後席左側はこのクラスとしてはかなりゆったりとくつろげる空間になっており、フラッグシップセダン以外では珍しい、5メートルを大きく超えるロングボディを活かした作りとなっています。
セミアニリン本革シートや、フットレストの質感もよく、ドアトリムに設置された、新しいバンブーレイヤリングのアンビエントライト、足元照明なども相まって、新しくて上質な車に乗っているという感覚が味わえました。
こういった後席居住性を高めたミドルクラスの車種は、これまでのレクサスセダン「IS」、「GS」、「HS」には存在せず、まさにフラッグシップセダン「LS」の領域に入ったグレードといえます。
なお、後席中央の「コントロールパネル」は、操作が単純で明かりやすいものの、あまり進化が見られません。
このあたりは現行「LS」などで使用している液晶画面の方がコストがかかっていますし、見栄えも良いです。
仕様的には十分なのですが、実質的に「LS」の代替も兼ねるのであればもう少しコストをかけても良いのではと感じました。
(ただ、使いやすさという面ではまったく問題なし)
さて、「ES350e」にのみ設定されている、後席重視の”Rr Comfort Package"ですが、居住性もよく、大柄なボディを活かした構造になっていると感じました。
価格も”version.L”から「40万円高」に留めており、以下の専用装備を考えると十分許容できるのではないでしょうか。
◾️電動リヤサンシェード
◾️3席独立温度調整オートエアコン
◾️ハンズフリーパワートランクリッド
◾️後席 シートヒーター&ベンチレーション機能
○助手席10wayパワーシート(ランバーサポートは2wayへ)
○後席ヘッドレスト ソフトタイプ
○後席 リフレッシュシート
○後席 リヤコントロールパネル
○後席 センターアームレスト内USB端子(15W)
しかし、ここで注意なのが、上記のうち、◾️ を付したものは、この車格の”version.L”であれば、標準装備されてもおかしくないものです。
”Rr Comfort Package" の優位性を高めるために、”version.L”の装備レベルを落としているように見えてしまいます。
また、上記の ◾️ を付した装備が、メーカーオプションでも装備できないというのはちょっと残念ですね。
特に、これぐらいの価格帯のセダンクラスであれば、「後席シートヒーター&ベンチレーション」や「3席独立温度調整オートエアコン」、「ハンズフリーパワートランクリッド」が選択できないのは商品魅力に欠けると言わざるを得ません。
これらの装備が欲しければ「ES350e ”Rr Comfort Package" 」を選択しなさいと・・・
(モアパワーの「ES500e」では”Rr Comfort Package" が選択できないのが、一般顧客には理解ができない部分ではあります)
こういった点もあり、今回のレクサス「ES」シリーズは、HEV、BEV共通して、どのグレードの車種においても、「売りづらい車」になっているように感じます。(これは、一部のマニア層やYouTuberの方が大げさに言及しているだけではなく、客観的にそのように感じる方が多いのではと思います)
初期の指名買いが一巡化した後のコンサルティング型営業のフェーズに入ると、顧客のニーズにマッチした車種、グレード、オプションを提示しずらいように感じます。
実際、先週末、都心部3店舗にお邪魔しましたが、新型車発売後の週末とは思えないぐらい、客入りはよくありませんでした。
(通常ですと、発売後数週間は、商談希望者で、駐車場にクルマが入りきらなかったり、お茶出しが追いつかないため係員が増員されるほど、多くのユーザーが来訪するものですが・・・)
今回の「ES」、デザインはいまだ賛否両論ありますが、私自身、実車を見た印象は良いです。
見た目は新世代感ありますし、インテリアの細部の作りもしっかりしていますし、先進安全性能はさらに高まり、今まで以上に安心して乗れる車と思います。
これで、しっかりと顧客が欲するグレードや装備が設定されていれば、大型化したボディにもかかわらず、日本市場でも購入意欲が湧く方は結構いらっしゃるのではと思います。
しかしながら、現状では、法人・個人問わず、どのグレードを選択しても欠点があり、特に日本市場の顧客の要望に沿った仕様になっているとは思えません。
特に、”Rr Comfort package" においては、このような車を購入する方は企業(法人)ユースが中心でしょうから、この点はしっかり、首都圏・大阪などの大都市圏の販売店を中心とした声も取り入れて、日本市場向けに装備を調整すべきだったかと思いますし、その時間はあったと思います。(なにせ、ワールドプレミアから発売まで1年間も開いたわけですので)
あえて、世界共通市場にこだわる必要があったのかな、と感じます。
中国市場に専用のインテリアや装備を投入するのであれば、日本市場における、これまでのロイヤルカスタマーを満足させるための方策「も」とっていただきたかったです。(そのための早めのワールドプレミア、発売までの「1年間」だったのでは・・・?)
特に厳しいのは、今回法人オーナーでやむなく(本来は信頼性のあるHEVにしたいが)後席重視の「ES350e ”Rr Comfort Package" 」をご契約され、1年後にHEVの年次改良でHEVの「ES350h 」に、後席重視の 「”Rr Comfort Package" 」が追加設定されるケース。
通常ではグレード展開が増えるのは好ましいですが、こういった場合、すでにリース契約等で契約されている場合は、社内決裁手続きも考えると、中途解約等も容易ではないでしょうし、レクサスを選んできた顧客との信頼関係を失うことになりかねません。
今回 ”Rr Comfort Package" が「ES350e」にしか設定できなかった理由があるものと思われますが、その点は今のところどのメディアでも明らかにされていないようです。
総合的な車としての出来は良いように思いますが(日本国内においては)どういった層をターゲットに販売した車種・グレード構成・日本仕様なのか、レクサス車を20年近く見てきた私自身、ちょっと不思議に感じます。

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