
外観はレクサスの「F 」や「F SPORT」のような差別化が図られており、従来の”F SPORT”デザインが好きな方には好まれる外観になっていると感じました。
特にリヤ部分のボリュームはノーマルとは大きな違いがあり、ドアミラー越しに見えるリヤのボリューム感は高性能なスポーツカーを連想させます。

インテリアは、ブラック基調となっており、シート形状は”F SPORT”と同系統ですし、所々のレッドステッチもアクセントになっていました。
とはいえ、私的には、ほぼ黒一色なのでもう少し加飾が欲しかったと感じます。

スカッフプレートには「MORIZO RR」のロゴがあったり、フットレストにもアルミタイプをあしらって欲しかったです。(スカッフプレートはもともとの質感が低いので、イルミネーション付きのDOPの設定でもあればよいのですが)

市販版でも気になるのは、「ピラー」、「バイザー」の素材です。
いずれもファブリックすら巻かれておらず、表面に特殊な加工がしてあるのみで、レクサス車としては非常にクオリティが低い部分。
「LBX」はヤリスクロスの兄弟車であることは知られていますが、一見そのような感じはしませんが、このような部分を見ると、コスト優先での作りであることに気が付きます。
せめて「MORIZO RR」については、ウルトラスエードで巻くなどの差別化が欲しかったところですので、ぜひ改良の候補としていただきたいです。

着座してステアリングを握ると、「LBX」のノーマル版では気になっていたステアリングの滑りが、”F SPORT”系のディンプルつきステアリングに換装されていることもあり、他の”F SPORT”系とかわらないフィーリングなのはとても良かったです。
ステアリングスイッチ、ウィンカー、ワイパーレバーなども第4世代レクサス車と同様ですのでブランドとしての統一感があるのは好ましいと感じました。

さて、走り出してみると 初体験の1.6リッター3気筒ターボの「G16E-GTS」の乗りやすさに感心します。
レクサスのV8エンジンのような低速トルク不足もありませんし、3気筒、4気筒車のようなアクセルを踏み込んだ際のザラつきのある振動やエンジンノイズもまったく気になりません。
着座位置も低いことと、インテリアがレクサスデザインに全面換装されているので、当方も以前所有していた「ヤリスクロス」の印象は一つもありません。
とはいえ、ATギアが変速した際(シフトダウン)の重低音サウンドはスピーカーからの疑似サウンドかと思いますが、これはなかなかなじめませんでした。つねに「もあもあ」こもって聞こえる感じで・・・
個人差があるのでしょうが、街乗りレベルではちょっと過剰な演出に感じました。
スピードメーターも少しいじってみましたが、画面の設定に落ち着きました。もう少しフォントを小さくして情報量を増やすモードがほしいとことです。

「LBX」ノーマル仕様では気になったリヤ側の硬さや振動が「MORIZO RR」ではほとんど気にならなかったのも良かったところで、高性能なスポーティーカーとして十分な乗り心地と快適性と感じました。大きめの段差でも収束がはやく、路面の凹凸に関して、追従感が格段にアップしているように感じます。(同じ場所で乗り比べしていないので明確にはわかりませんが)

ナビディスプレイも約2日間使用してみましたが、十分なサイズであり特に問題ありませんでした。
ただ、14インチ仕様と異なり、レバーやスイッチの質感はもう少し高めてほしい印象です。
位置的に指紋が目立ちやすいのも少々気になりましたが、懸念していたパノラミックビューモニターも十分見やすかったです。

夜間走行で気になったのは全体的にイルミネーション照明がもう少し欲しいのと、「eラッチ」部分に照明がないことでした。
オーナー以外だと、どこをさわればドアが開くのか分かりづらいと思いますので、eラッチ照明は必須と思います。
e-ラッチ照明は単なる加飾ではなく、存在を示すためにも必要なものですから、このコストを下げてまでeラッチ照明を廃止したのであれば、eラッチ自体を廃止して、通常のレバーハンドル式に回帰したほうが良いと感じます。(ここ最近では「GX」でも採用していないので許容されるでしょう)

しかし、全体的には、「LBX MORIZO RR」は非常に乗りやすく、街乗りから高速道路までキビキビ走行でき、乗り心地もスポーティーカーと考えればまったく問題ないレベルで、レクサス「F」シリーズの現代版・・・のようなイメージも感じました。
また、気になる燃費も街乗りではおおよそリッター9km/L程度、バイパス路では11.5km/L前後と納得行く数値でした。
クルマ自体の静粛性も高く、アクティブサウンドコントロール(ASC)で調整された独特のサウンドを体感できますし、シフトダウンの重低音なブリッピングサウンドも十分味わうことができますので、ハイブリッドカーではない純ガソリンエンジン車をチョイスしたい方にもおすすめできます。

しかし、この「LBX MORIZO RR」には大きな課題(欠点?)がありました。
それは「ブレーキ鳴き」でした。
特に、リヤ側のブレーキ鳴きが強いようであり、個体差があるものと思いましたが、「LBX MORIZO RR」のブレーキ鳴きは従来の高性能なレクサス車(ISF、GSF、RCF、LC500)と比べても尋常ではなく、特に今回は大都市市街地走行していたということもあり、まちなかの人々の視線を感じるほどのブレーキ鳴きの酷さには驚きました。

気になってその後SNSで情報を調べてみてもブレーキ鳴きについて言及されていたようですので、「LBX MORIZO RR」固有の症状なのかもしれません。走行距離により変わってくるのかもしれませんが、「LBX」が気軽に使えるスニーカーとしての存在であれば、このブレーキ鳴きは許容できない方もいらっしゃると思います。
これからご購入される方は、試乗車で試乗されてから購入されることをおすすめします。
当方が試乗した車両のみの現象であればいいのですが、MT仕様でも同様に鳴きは出ているとの話もありました。

特に、「LBX MORIZO RR」では、”Lexus Safety System+3.0”を搭載しているため、プロアクティブドライビングアシスト(PDA)が搭載されており、前車との距離が一定間隔となった際に自動的に緩やかなブレーキをかけるシステムが搭載されていますが、この「PDA」のおかげで、ゆるやかなブレーキングの際に、「ブレーキ鳴き」が発生してしまいます。
通常、スポーツカー/スポーティーカーでブレーキ鳴きが許容されるのは、任意で自分自らがブレーキ操作をするからであり、その踏み方でブレーキ鳴きも一定程度軽減できますが、「MORIZO RR」では、PDAが自動的に緩やかなブレーキをかけるため、自分の意図しないシチュエーションでブレーキ鳴きが発生してしまうことが、不快感を増大させていると感じました。
当方はこれまで、”Lexus Safety System+3.0”に搭載されている「PDA」は非常に万能で素晴らしい制御と感じていましたが、純ガソリンエンジン車かつ、ブレーキ鳴きが発生する可能性がある高性能車においては必ずしもPDAは万能ではない、と感じるに至りました。
結局、途中からは「PDA」をオフにすることで、自分自らがブレーキペダルを踏んだときのみブレーキ鳴きがするようになりますので、不快感はいくぶん軽減されましたが・・・
「LBX」はレクサスでも売れ筋の車種ですし、今後もAlways On での改良が次々入ってくる車種と思いますので、徐々に改良されていくかとは思いますが、そういった意味でも「LBX MORIZO RR」はまだまだ大きく進化してゆく車種であると感じました。

この記事へのコメント
wgn
サイズ感やエンジンのレスポンスはいいので日常使いで楽しめる車だと思いますが、思った以上に物欲は湧きませんでした。
たしかにブレーキの鳴きは気になりますね。
若い頃に乗ってたスポーツパッド装着車を思い出しました笑
ロレぽん
当方もATとMTに試乗させていただきましたが、やはり両モデル共にブレーキ鳴きが発生しまして、特にATで多く発生していました。
なまっくす様のご指摘のとおり、低速時の自動減速時にブレーキ鳴きの症状が顕著に出ていたと思います。
しかし、個人的にはMORIZO RRという走りを意識したモデル且つ300psを超えるパワーをより安全に受け止め減速させるためには、より大きなキャリパー並びにパッドが必要不可欠であり、その性能を追求した結果ブレーキ鳴きの症状が出ていると思われ、ある意味仕方のないことではないかと個人的には考えています。
それをクレームとして出しても、メーカーとしては対応は難しいと思っています。
ブレーキ鳴きの対策としては、パッドを交換する方法が考えられますが上記の性能を考慮すると、ブレーキ鳴きを抑えるためにせっかく高めてあるブレーキ性能を犠牲にするのは本末転倒ではないかと思います。
極論かもしれませんが、ブレーキ鳴きを許容できない人にはあまりオススメできません。
まぁ、コストを掛けてパッドを交換するのもオーナー様の自由ですし、いろんな考え方がありますからね。
あくまでも個人的な考えですので、気になさらさないでくださいね。
乱筆乱文失礼しました。
レクサスマイスター
RRの試乗インプレッション、着眼点が
面白く好みでした、ありがとうございます。
さて、わたくしも少し前にAT・MTと
試乗しており、購入したATの世界観がF
モデルと近からず遠からずで良い印象でした。
仰る通りコスト制約からくる部分も気にする
ほどではないところなので、走りでの完成度
的には、及第点?かな?と評価したいです。
(ここ最近のレクサス車は走りに関しては及第点にも到達してない)
【ブレーキ鳴き】
仰る通り。低速時の緩やかなブレーキングでも
停止に向かう数秒間は鳴きが続いていた印象です、摩擦材の配合からくるものかと。配合は不明ですが樹脂材が少なく?スチールを多め?に配合してローターへの食い付きを良くしているのは低速から高速までのコントロール性能を高める目的?(サーキットユース向け)にも感じました。勝手な主観ですが。
食い付きが良ければそれは鳴くんですよね、
キーッと盛大に。
Fモデルもそうでした!食い付く為にダストも
酷く、何人ものオーナーが困り果て、トムスパフォーマにお世話になったと思います(笑)
スポーツモデル、特にサーキット可の車種は
ブレーキを強化する為に鳴きもセットで付いてきます、トヨタもハイパフォーマンスや大型セダンを長く作ってきたので鳴きが常に付き纏いました、パッドの面取り、某ケミカルメーカーの専用グリスでの対処…etc
まぁ、結局のところは『諦めて下さい、効いてる証です』とゆうのが現代の答えでして、今に至っていると思います。
ブレーキ鳴き。自分は全く気にならないんですよ。ハイパフォーマンスの証といいましょうか、鳴く方が良いと思っています。
調べた事があって。鳴くと恥ずかしい人と、
上記の人と二極に分かれているのです。
したがってここは『好み』の問題になるのかも?知れません。
当たり前ですが、故障ではなく、レクサスも
意図的に鳴らしている筈もなく…
説明書にも鳴くと記述がありますし、ハイパフォーマンスブレーキとゆう事で仕方ないとゆうのは、博学な皆さまも当然ご承知の事と思います。
因みに鳴きは全く気にならない私ですが、ダストに関しては嫌でして、早めにパッドを低ダストに交換したいと思っています。
ダストが良い!って方もいらっしゃいます。
汚れてると走ってる感があってカッコいいと
聞いた事もあります。
人それぞれの感覚ですかね?どの答えも勉強に
なり、両方に共感が持てます。
車のそうゆう部分も素敵だなと思います♪
MORIZO
ポルシェだろうがAMGだろうがこの手の車は鳴きまくりますよ。
逆にレクサスがよくぞここまでの車両をだしたと感心しましたけどね。
主要装備一覧の*2を確認しました??
想像以上にブレーキ鳴きはしましたが、スポーツモデルだと納得しています。
が、IS/RCでは経験がなかったので現状はまだ慣れません(笑
不思議なのは、これまでのモータージャーナリストの動画では全く鳴きが
見られなかったし、指摘もされていなかった点でしょうか。
おっしゃられるとおり、欠点もありますがそれを補って余りある楽しさが
ある車なので、大切にしたいと思います。
quick-nobu
実は8月にmorizo RR 契約して今月クリスマス納車されます。
ATをチョイスして色は画像にあるブルーです。
以前MTに試乗しましたが、ブレーキ鳴きは気付きませんでした。
ただ去年まで乗っていたアウディRS4のブレーキの鳴き方が半端なかったので納車されてブレーキ鳴きがあったとしても精神的には耐性があるのでそれほど心配していませんよ。
なまっくす
ご契約おめでとうございます!
雪国にも適合する車両ですね!
MORIZO RR、ブレーキ鳴き、かなりすごかったですが、乗り味はとても良かったですよ!
ブレーキ踏まない時も鳴るので、気になる時は PDAをオフにしてみてください。
>なっくすさんお疲れさまです。
>
>実は8月にmorizo RR 契約して今月クリスマス納車されます。
>
>ATをチョイスして色は画像にあるブルーです。
>
>以前MTに試乗しましたが、ブレーキ鳴きは気付きませんでした。
>ただ去年まで乗っていたアウディRS4のブレーキの鳴き方が半端なかったので納車されてブレーキ鳴きがあったとしても精神的には耐性があるのでそれほど心配していませんよ。
なまっくす
納車おめでとうございます!
相当早い納車ですね〜
モータージャーナリストの動画はそういえば拝見していないのですが、広報車なので、もしかすると対策されているのかもしれませんね。
レクサスとしてはかなり目立つのでなんらかの対策はされそうにも思いますが、いろんな面で差別化されている特徴あるクルマと思います。
ぜひ楽しんでくださいね!
>先日納車されました。
>想像以上にブレーキ鳴きはしましたが、スポーツモデルだと納得しています。
>が、IS/RCでは経験がなかったので現状はまだ慣れません(笑
>不思議なのは、これまでのモータージャーナリストの動画では全く鳴きが
>見られなかったし、指摘もされていなかった点でしょうか。
>
>おっしゃられるとおり、欠点もありますがそれを補って余りある楽しさが
>ある車なので、大切にしたいと思います。
なまっくす
コメントありがとうございます。
海外のハイパフォーマンスモデルは未経験ですが、レクサスのハイパフォーマンスモデルはすべて経験もしくは所有済みです。しかし、その中でも飛び抜けてノイズがするので驚きました。
記事にも記載していますが、ブレーキペダルを踏んでいない時も鳴るのがかなり気になりました。
私的には、ここは改善した方が良いと思いました。
>この手の車を経験していない方のレビューですね。
>ポルシェだろうがAMGだろうがこの手の車は鳴きまくりますよ。
>逆にレクサスがよくぞここまでの車両をだしたと感心しましたけどね。
>
>主要装備一覧の*2を確認しました??
>
なまっくす
RR、ちょっと厳しめの記事になってしまったかもしれませんが、総合的にはなかなかよい仕上がりでした。
また、ブレーキについての詳しい考察参考になります。なるほど、摩擦剤の配合によっても違うんですね!
RRのブレーキ鳴きについては結構個体差があるようで、当方がお借りした店舗では相当(ノイズが)問題となっているようで、一度分解整備しなおすという話がでていました。
他のFモデルと比べてもかなり目立っていたので・・・
とはいうものの、少しぐらい鳴いている方が確かにハイパフォーマンスの証でもある気はしますね。
最近はホイールもそうですが、ブレーキパッドを交換するといった方もずいぶん減ってきているように思いますが、MORIZO RRに関しては、街乗りの場合はブレーキパッドの換装も考えた方が良いかもしれませんね。(ダストも相当すごそうですし・・・)
>なまっくすさん コメント致します。
>
>RRの試乗インプレッション、着眼点が
>面白く好みでした、ありがとうございます。
>
>さて、わたくしも少し前にAT・MTと
>試乗しており、購入したATの世界観がF
>モデルと近からず遠からずで良い印象でした。
>
>仰る通りコスト制約からくる部分も気にする
>ほどではないところなので、走りでの完成度
>的には、及第点?かな?と評価したいです。
>(ここ最近のレクサス車は走りに関しては及第点にも到達してない)
>
>【ブレーキ鳴き】
>
>仰る通り。低速時の緩やかなブレーキングでも
>停止に向かう数秒間は鳴きが続いていた印象です、摩擦材の配合からくるものかと。配合は不明ですが樹脂材が少なく?スチールを多め?に配合してローターへの食い付きを良くしているのは低速から高速までのコントロール性能を高める目的?(サーキットユース向け)にも感じました。勝手な主観ですが。
>
>食い付きが良ければそれは鳴くんですよね、
>キーッと盛大に。
>
>Fモデルもそうでした!食い付く為にダストも
>酷く、何人ものオーナーが困り果て、トムスパフォーマにお世話になったと思います(笑)
>
>スポーツモデル、特にサーキット可の車種は
>ブレーキを強化する為に鳴きもセットで付いてきます、トヨタもハイパフォーマンスや大型セダンを長く作ってきたので鳴きが常に付き纏いました、パッドの面取り、某ケミカルメーカーの専用グリスでの対処…etc
>
>まぁ、結局のところは『諦めて下さい、効いてる証です』とゆうのが現代の答えでして、今に至っていると思います。
>
>ブレーキ鳴き。自分は全く気にならないんですよ。ハイパフォーマンスの証といいましょうか、鳴く方が良いと思っています。
>
>調べた事があって。鳴くと恥ずかしい人と、
>上記の人と二極に分かれているのです。
>
>したがってここは『好み』の問題になるのかも?知れません。
>
>当たり前ですが、故障ではなく、レクサスも
>意図的に鳴らしている筈もなく…
>
>説明書にも鳴くと記述がありますし、ハイパフォーマンスブレーキとゆう事で仕方ないとゆうのは、博学な皆さまも当然ご承知の事と思います。
>
>因みに鳴きは全く気にならない私ですが、ダストに関しては嫌でして、早めにパッドを低ダストに交換したいと思っています。
>
>ダストが良い!って方もいらっしゃいます。
>汚れてると走ってる感があってカッコいいと
>聞いた事もあります。
>
>人それぞれの感覚ですかね?どの答えも勉強に
>なり、両方に共感が持てます。
>
>車のそうゆう部分も素敵だなと思います♪