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なんといっても目玉はその価格。
「420万円」(AWDは446万円)という、レクサス車の中でも最も買いやすい価格は訴求力があります。
といって、あからさまな廉価グレード感はなく、他車であれば快適グレードの"version.L"に使用されていることの多い、ブラウン系の「モーヴ」やホワイト/ベージュ系の「ソリスホワイト」を備えているのは嬉しいところ。
そのほか、シート類、ステアリング、シフトノブなど、手や肌にふれる部分は耐久性と質感を両立させた、合成皮革の「L-tex」を使用するなど、動物性由来の本革ではなく、サステナブルな素材を使用しているのが特徴です。

これまでのレクサスの低価格グレードというと、どうしても内装のチープさや装備の欠落が目立っていましたが、LBXの”ELEGANT”にはそのような印象はほとんどありません。
(たとえば、マークレビンソンが装着できない、とか安全装備系のオプションが装備できない、というような差別化もありません)
数少ない残念なのは「パドルシフト」なし、「マルチカラーのインテリアイルミネーション」なしというところでしょうか。
もっとも、そのうち「マルチカラーのインテリアイルミネーション」に関しては、レクサスに限らず、他のプレミアムブランドでも同様のケースが見受けられますし、レクサス「NX」でも同様です。

レクサスであるならば、「メーカーオプション」の設定があっても良いと思いましたが、それは今後の要望次第でしょうか?
なお、”ELEGANT”に関してはシート加飾に「刺繍(サテン縫い)」が施されており、すでに発売している上位グレードに相当する”Cool"や”Relax”とも違ったシート加飾なのは嬉しい差別化ですね。

「主要装備一覧」で確認しても、”Relax”と”ELEGANT”での装備差の違いは以下の通りです。
▲キックダウンスイッチ なし
▲18インチホイール(MOP)[49,500円相当]
▲ITSコネクト(MOP)[27,500円相当]
▲インテリアイルミパッケージ[マルチカラー]
▲本革ステアリング&シフトノブ(→L-tex化)
▲パドルシフト なし
▲セミアニリン本革またはウルトラスエードシート(→L-tex化)
▲一部ボディカラー選択不可
18インチホイールとIT'Sコネクトはメーカーオプションで装着できますので、”Relax”と”ELEGANT”では実質的な価格差は「323,000円」となります。

レクサス車では「本革系」と「合成皮革・ファブリック系」との価格差はおおむね「25万円前後」です。
また、レクサス車としては「RZ」に続いて採用となる、合成皮革(L-tex)製のステアリング・シフトノブですが、こちらも多少コストダウンが図られているものと思います。
あとは、「パドルシフト」と「マルチカラーのインテリアイルミパッケージ」。
これらは後付が困難なアイテムですので、”Relax”と”ELEGANT”での装備差を感じる部分ではありますが、セカンドカーユースや短距離のドライブが主体であれば必須のものでもなく、価格的にはパドルシフトが「1.5万円」、インテリアイルミパッケージが「5.5万円」前後ではないかと推定します。
そう考えますと、”Relax”と”ELEGANT”の実質的な価格格差(323,000円)は納得行くものかと思いますが、レクサス車の本革オプションは、セットで、「ベンチレーション機能」や「パワーイージーアクセスシステム」などの付帯機能がつくことが一般的です。
今回の「LBX」では既報通り、上位グレードの”Cool”や”Relax”においても、前席シートベンチレーション機能や助手席のパワーシート機能が施されていませんので、仮に「本革シートへのアップグレードオプション」が存在していたと仮定しても、選択率はそれほど高くないのではと推測します。

結果的には、見た目の質感を落とさず、かつサステナブルな素材を使用することでコストを引き下げているのは素晴らしいと思います。
内装色が2色から選択できるのも良いですし、「LBX」の売れ筋モデルとなることが期待されます。

なお、本革→L-texへの置換の効果か、車両重量が10kgほど減少しているのにも注目です。
今後は、この”ELEGANT”の販売比率が高まることが予想されますので、”Cool”と”Relax”には、ユーザーからの要望が強い、前席シートベンチレーション機能や助手席パワーシート、電動チルト&テレスコピック機能付きステアリング への進化を遂げてほしいものです。
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