レクサス UX300e 2023年モデルは「航続可能距離」が大きく向上!

ほとんど何の情報もないままと突然発表された感のある、レクサス初の電気自動車(BEV)である、「UX300e」が、実質的に初のマイナーチェンジを実施。
7月7日に販売を開始した「UX250h/UX200」から遅れること3ヶ月、2023年モデルが発表されました。

th_20221012_01_07_s.jpg

(トヨタグローバルニュースルーム ■LEXUS、バッテリーEV「UX300e」の一部改良を発表
https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/38065618.html より)


なお、「UX300e」の発売自体は「来春」ということで、まだ「価格」や「カタログ」が公開されていないことです。(一方、先日発表された「LS」(2023年モデル)は、発売自体は2022年10月下旬で、「価格」や「カタログ」が公開済)

改良内容のトピックスは先行して発売された「UX250h/UX200」と同じですが、驚いたのはバッテリー容量を拡大してきたということでしょう。
すでに先行発表されているトヨタ「bZ4X」とレクサス「RZ450e」の「71.4kWh」より僅かですがバッテリー容量が大きい「72.8kWh」を搭載してきたということにも驚きです。

どのような手法でバッテリー容量を拡大したのか、そして航続可能距離にも大きく影響する「重量増」はどれぐらいなのか、という部分にも注目したいですが、現時点ではどのメディアでも詳細に報じていないようですので続報を待ちたいところです。


それにしても、バッテリー容量が「54.4kWh」から「72.8kWh」に増強し、航続距離450km、従来型比40%以上向上というのはなかなかのインパクトです。
乱暴な運転をしなければ「東京→名古屋」間の片道は問題なく走行できそうですし、近場の小旅行であれば往復の充電を気にしなくてよいのは嬉しいですね。

しかし、既存の「UX300e」のリセールバリューがどうなるのか、という点は気になってしまいます。単なるエクステリア/インテリアの変更だけでなく、電気自動車の要はなんといっても「バッテリー(電池)」ですから、モデルライフ途中で大幅に電池容量が拡大したり、性能が向上する場合は、既存モデルに与える影響は大きいと思いますので、この点は電気自動車を長期保有する際のリスクとなりそうですね。

th_20221012_01_01_s.jpg
https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/38065618.html より)

外観では、他のレクサス2023年モデルと同様、「HEV/BEV専用のエンブレム」が廃止されていますので、外観上ではほとんど区別が付きません。(一部残っている画像もありますが)
ホイールは専用ですが、もう少し差別化があっても良いとは思うのは私だけでしょうか・・


残念ながら、先般のUXの改良では外観の変更はありませんでしたので、ユーザーとしては「変わった感」があまりないのは訴求力に欠けます。
インテリアやマルチメディアシステムの改良は賛否分かれるとことですし・・・

th_20221012_01_05_s.jpg
https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/38065618.html より)

とはいえ、「先進安全装備」(Lexus Safety System+2.5)は確実に1ランク性能アップしていますので、この点を踏まえると「航続可能距離」が100km近く伸びたということで食指が伸びる方も多そう。
そして、何より他のレクサス車が実質的にオーダー停止中で軒並み注文できない中、「UX300e」なら購入できるかも?という期待感がありますね。

th_20221012_01_02_s.jpg
https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/38065618.html より)

「UX300e」は、2020年秋に、2020年度分の限定販売135台に関する商談申込み(抽選)の受付を開始して、多くの先行予約を集めましたが、その後2021年夏以降は失速して、逆にもっとも早く納車できるレクサス車として、その後の販売もふるわかなかったようです。

その理由として、「通常モデルとの違いが僅少」、「後席のヒップポイントが高い、ラゲージルームが狭い」、「航続可能距離が短い」などといういくつかの課題があったようですが、そのうち、もっとも解決が難しいと思われる「航続可能距離」について今回手を打ってきたのには驚きました。


▼従来の電池パック

th_20201022_01_22_s.jpg
https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/34009601.html より)

▼新型(2023年モデル)の電池パック

th_20221012_01_06_s.jpg
https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/38065618.html より)


電池パックの形状(色)が若干異なったり、ケーブル類の一部に緑の素材が使用されているぐらいしか当方には違いがわかりませんが、どうやら電池パック自体の「スペース」は変わっていないようですから居住性の悪化はしていないようです。
室内やらゲージのスペースに影響を与えることなく、電池容量が増え、(カタログ上のWLTCモード)航続可能距離が「367km」→「約450km」に伸びるということであれば、かなりインパクトがあります。そして、「価格」は気になるところです・・・

20201022_01_05_s.jpg


レクサス「RZ450e」の価格は、当然「UX300e」の価格を大きく上回ることになりそうですので、「UX300e」の価格上昇がどれぐらいになるかは注目ですが、正式に「RZ450e」が発表されるまでは「UX300e」の価格も公開されない可能性が高そうですね。(先に「RZ450e」の価格を公表し、それに比べ「UX300e」の割安感を演出する先着でしょうか?

価格的にも、トヨタ「bZ4X」との差がどれぐらいで収まるのか、より上級車種の「RZ450e」との差がどれぐらいなのか注目が集まります。
通常モデル、特に「UX250h」の納期も1年を超えているようですから、「UX300e」がどれぐらいの台数を準備しているのか、納期がどれぐらいなのかという点も含め、今後のさらなる情報開示に期待したいところです。

この記事へのコメント

  • 三太郎

    ハツコメさせていただきます。
    すみません。
    レクサス、技術面でも、日産三菱に劣りつつあるように見えてきました。
    四輪駆動の制御や、バッテリーとガソリンの制御。
    老舗の円熟感は、トヨタレクサスですが、今後、、どうなるんでしょうね。
    2022年10月15日 14:08
  • かすぽん

    私もまさかUX300eのバッテリー容量を変えて来るとは意外でした。
    このバッテリーですが、米国向けのbz4x AWDは72.8kwhのバッテリーを搭載しており同じ物のようですね。
    国内向けのbz4xはFDW、ADW供にトヨタとパナソニック共同のプライムプラネットエナジー社の71.4kwhのバッテリーですが、なぜか米国向けのbz4x AWDはCATL製の72.8kwhを搭載しているそうです。はやりコスト的に中国に負けているのか生産が間に合わない(たいした数は作っていなさそうですが)のかもしれないです。
    しかし、UX300eもリコール明けのbz4xもすでにEVとしての性能面では周回遅れの感が否めませんね。かなりトヨタはがんばらないとEV化が進む海外市場ではかなり厳しい戦いになるのではないでしょうか?
    2022年10月15日 19:54
  • とおりすがりん

    災害大国日本ではv2hに対応してほしい
    2022年10月16日 17:35
  • bZ4Xのように「急速充電は1日1回まで」という充電制限がないかも気になるところですね…
    2022年10月16日 22:09
  • なまっくす

    to 三太郎さん

    コメントありがとうございます。
    電気自動車分野で「トヨタが本気を出せば・・・」というのは、bZ4X/ソルテラの初っ端のつまずきで大きく信頼性が揺らいでしまいましたね。
    果たしてこの差を詰めることができるのか・・・
    新型マルチメディアシステムが世にでてからすでに1年ですが、アップデートのスピードがおそすぎて、このままでは一度もまともなOTAがおこなわれないまま初回の車検を迎えてしまうのではと懸念してしまいます。

    結局、車そのものの品質の良さと、ディーラーでの手厚いサービス、これこそがトヨタ/レクサスの良さではないかと思いますのが、先進技術やBEVの分野でもさすがトヨタ、と思わせるよう、ぜひ奮闘してほしいですね!


    >ハツコメさせていただきます。
    >すみません。
    >レクサス、技術面でも、日産三菱に劣りつつあるように見えてきました。
    >四輪駆動の制御や、バッテリーとガソリンの制御。
    >老舗の円熟感は、トヨタレクサスですが、今後、、どうなるんでしょうね。
    2022年10月20日 01:32
  • なまっくす


    to かすぽんさん

    補足コメントありがとうございます。
    はい、たしかに北米用のは72.8kWhで同系のようですね!(なんでメーカー違いで差があるのでしょう・・・?)

    UX300eは航続可能距離が伸びることでようやく競争できるようになりましたが、やはり価格が心配ですね〜

    テスラやヒョンデのBEVと比べられると厳しいですね。
    bZ4Xも販売計画を大幅に下回っていると思われますし。従来のクルマのパワートレーンを単にそのままBEV化しただけのものが、予想以上に受け入れられなかったという現実は、トヨタ/レクサス陣営も認識していると思いますので、戦略の見直しを迫られるのではと思いますね!


    >私もまさかUX300eのバッテリー容量を変えて来るとは意外でした。
    >このバッテリーですが、米国向けのbz4x AWDは72.8kwhのバッテリーを搭載しており同じ物のようですね。
    >国内向けのbz4xはFDW、ADW供にトヨタとパナソニック共同のプライムプラネットエナジー社の71.4kwhのバッテリーですが、なぜか米国向けのbz4x AWDはCATL製の72.8kwhを搭載しているそうです。はやりコスト的に中国に負けているのか生産が間に合わない(たいした数は作っていなさそうですが)のかもしれないです。
    >しかし、UX300eもリコール明けのbz4xもすでにEVとしての性能面では周回遅れの感が否めませんね。かなりトヨタはがんばらないとEV化が進む海外市場ではかなり厳しい戦いになるのではないでしょうか?
    2022年10月20日 01:37
  • なまっくす

    to とおりすがりんさん

    コメントありがとうございます。
    V2H対応は、かなりのハードウェア変更のようですから、フルモデルチェンジまでなさそうですね。
    まずは「RZ450e」でどれほどの実用性があるのか関心があります。
    たしかにクルマから給電できれば、移動可能な大きな蓄電池として、魅力は高まりそうですね。


    >災害大国日本ではv2hに対応してほしい
    2022年10月20日 01:54
  • なまっくす

    to 匿名さん

    コメントありがとうございます。
    10年後もバッテリーを持たせるために、急速充電の制限を(1日2回?)かけているみたいですね・・・どれだけのユーザーがそれほどの期間所有するかわかりませんが、そのために普段使いに制限があるのはしっかり契約時に説明をスべきですね。逆に言えば、電池の性能をフルに使い切らない設定になっているからバッテリーが持つということであれば、それは本当に品質が先行BEVメーカーと比べて優れているのか疑問に感じてしまいます。


    >bZ4Xのように「急速充電は1日1回まで」という充電制限がないかも気になるところですね…
    2022年10月20日 02:02

この記事へのトラックバック