クリーンディーゼル実車体験試乗会 参加してきました!


”クリーンディーゼル普及促進協議会”が開催する試乗会に参加してきました。
2011年から開催されているとのことですが、昨年は開催されず2年ぶりの開催となった模様。

http://www.cleandiesel.gr.jp/trial/2018trial.html

場所は、栃木県の那須塩原市にある、「ボッシュ 塩原試験場」。

東京都内からは東北自動車道 西那須野塩原ICで下車。片道およそ180kmほどで、順調であれば片道2時間程度ですが、土日の東北自動車道は事故による渋滞が発生することも多いので、日帰りで行けるギリギリの距離でしょうか? 

自動車好きの方にはバンク付きの”オーバルコース”があることで知られていると思いますが、当方は初めて訪問しました。

さて、当方、クリーンディーゼル車は、メルセデス・ベンツ 「GLCクーペ220d」しか試乗したことがなく、当時もトルクフルな走りには感銘を受け、クリーンディーゼルの魅力を感じました。
当時の試乗インプレッションは以下の通り。(懐かしい!)
http://www.namaxchang.com/article/448701824.html?1528028015


今回は、マツダ「CX-8」「アクセラ(1.5L)」、メルセデス・ベンツ「GLE」「Eクラス」がラインナップされていました。
参加メーカーに偏りがあるのは残念なところ。

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会場はテント張りでお茶菓子と常温の缶ジュース類が準備されているだけなので、レクサスや外車ディーラーのイベントのように冷暖房完備の待機スペースやモニター、ケータリングサービスのような豪華さはありませんので、(無料なので贅沢は言えませんが)天候によっては結構辛いです。人件費以外の運営コストは切り詰めている印象です。なお、トイレは、試験センターの建屋内にあるトイレを使用します。
なお、周辺に店舗は一切ありません。(建屋内に飲料の自販機はあり)

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各車に1回ずつ乗るのですが、20組の参加者がいて、同時にコースインするのが2台のみなので、かなり時間がかかります。
メーカーの広報担当者も参加しているのですが、特段積極的なPRタイムがあるわけでもなく、正直なところ待ち時間を潰すのは結構苦痛な時間ですので、よほどのクルマ好きでないと同乗者やご家族連れの方は飽きると思います。

コースはこんな感じで、遠くにこのコース目玉のバンクがある、オーバルコースとなっています。

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コース概要図。全周 1600m、コース幅は7.2m。直線部分は120km/hが最高速度、バンク部分は75km/h。
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全車に乗りましたが、一番印象の良かったのはダントツでマツダ「CX-8」(XD Lパッケージ)。

1800kgを超える車重ですが、全車で一番中間トルクが出ているように感じますし、車自体のコントロールしやすかったですし、バンクでも一番綺麗にライントレースができました。ブレーキングも自然。運転がうまくなった感じがありますね〜 「Gベクタリング」の効果?
静粛性ではメルセデス・ベンツの2台に少し劣りますが、全体的な静的質感も良好で、もう少し乗っていたいと感じられるクルマでした。
これが400万円以下とは・・・コストパフォーマンスではダントツですね!さすがマツダ。

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ついで、メルセデス・ベンツ Eクラス。(E220d)
高級感もありますが、内装の質感(樹脂類、スイッチ類)がSクラスとはだいぶ差があるのは気になるところ。
2枚のモニターは目新しいものの、評判通り平面でメリハリがなく、慣れないととどこに必要な情報があるかわからないのは気になったところ。
今回の4車の中ではもっとも静粛性に優れ、フロアからの振動も抑えられており、ディーゼル特有のサウンドも気にならず、好印象でしたが、優等生過ぎて特徴がないとも感じました。乗り心地も良いし、静粛性も優れているのですが、体感的な速さがないのと価格が高価なので、「価格=速さ」であればちょっと厳しいかなと思いました。クルマ好きな方は、もう少し頑張れば「E43AMG」が購入できてしまいますし・・・。

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あとの2車、「GLE」は設計の古さもあるのか、静的質感自体古さを感じました。運転をスタートさせると、たしかにトルクフルですが、アクセル/ブレーキにギクシャク感があったり、オーバル部分での加速した際のボディの振動や接地感、直線からのコーナーにかけてのブレーキング時の振動など不快感があり、かなり厳しい感じ。背が高く車重も重いのでコーナリングがとにかくきつい。ここは新型の「GLC」あたりでチャレンジしたかったところ。

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「アクセラ1.5Lディーゼル」はエンジンONの瞬間からボディ全体が振動しており、特にフロア・ステアリングから体に伝わる振動が気になりました。本革仕様のため電動シートがあるのは評価できるが、そのモーターの動作音のうるささにもゲンナリ。価格帯が他の車と離れすぎているし、静的質感・動的質感いずれも他の3台とは違いすぎていて、せめて「アテンザ」を持ってきてほしかったというのが正直なところ。
アクセルに対するレスポンスはいいですが、エンジンノイズが大きい割にはパワー感が伝わってこず・・・単体ではいいのかもしれませんが、このようにクラスが違うクルマとの試乗会ではいいところが見えませんでした。

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クリーン・ディーゼル車を体験できるいい機会でしたが、過去の開催実績を見ても試乗車の大部分が「メルセデス・ベンツ」と「マツダ」なので、他のメーカーの参加がないのは寂しいところです。また、参加している車種もCX-8とEクラスセダン220d以外は「最新」とはいい難く、ちょっと残念でした。

また、今回はクルマの性能をPRするというよりは、「クリーンディーゼル」の良さを認識するためのイベントなのですが、ディーゼルのメリットを強調しすぎているのが気になりました。
こういうものは、"デメリットや留意点”もしっかり踏まえてPRすべきであり、一方的にメリットだけをPRするのはどうかと思いました。
かつて問題となった、VWグループを端緒とする”クリーンディーゼルの燃費不正問題”がその後結局どうなったのか、クリーンディーゼルエンジンの耐久・劣化性能、メンテナンス性など気になる部分はあります。
万能であれば、各メーカーがディーゼル車をもっと積極的に販売しているはずであり現状はそうではない(メルセデス・ベンツでも販売比率は20%程度とのこと)コストの面以外にも留意する点はあるはずであり、そういう面をしっかり広報したうえでディーゼルエンジンを選択してもらうことが次もディーゼルエンジン車を選択してもらうためのポイントとなるのではと感じました。

とはいえ、オーバルコースをフル加速体験できるのはなかなか良い機会なのでいい体験ができました。
燃費の良さは体験できなかったので、その部分もチェックしたかったところではあります。


最後は宇都宮餃子を堪能して帰宅。一般道〜高速道路複合燃費は約「14.2km/L」と3.5Lのハイブリッド車としては比較的良好なものでしたが、今回参加のクリーンディーゼル車ならもっとよい数値がマークできるのでしょうね。

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