スバル「ツーリングアシスト」凄いっ! 新型レクサスLSのインパクトが薄れる?

スバル新機能、進化したアイサイト「ツーリングアシスト」が2017年夏発表予定の新型「レヴォーグ」と「WRX S4」全車に標準で装備されることがアナウンスされ、各種メディアでリポートや動画が公開されています。
ツーリングアシストの中でも目玉はなんといっても、リアルワールドでの使い勝手を高めた「先行車トレース」機能!従来のシステムと異なり、白線がない場合も先行車に追従するシステムです。(その他時速40km/h未満でもステアリング制御が可能となったり、レーダークルーズの速度制限を115km/hから引き上げ、135km/hまでとしているのも高速道路の速度条件見直しに向けた動きで柔軟性がありますね。)


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スバルの「ツーリングアシスト」ですが、時速100km/hでのカーブでも車線内を綺麗に走行するのは凄いですね・・・。しかも、車線寄りではなく、中心をキープしている。これは確かに実用的そう!


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車線内維持走行機能としては、トヨタ/レクサス陣営で、「レーンキーピングアシスト(LKA)」があります。
国内レクサスでは2005年開業時からレクサスGSでMOPとして準備されているなど、かなり前から準備はされていましたがオプション価格が非常に高額だったこともあり、ほとんど普及しないままの状態でした。

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2012年頃からプレミアムブランドを中心に安全装備や運転支援機の標準化が進んできたこともあり、トヨタ/レクサス陣営は2013年頃から、LKAの簡易版として、「レーンディーパーチャーアラート」(LDA)を新たに設定。これは、車線逸脱前に警告音またははみ出す寸前に若干のステアリング制御を行う機能で、これを「トヨタセーフティセンス」および「レクサスセーフティシステム」(LSS+)の標準装備としました。しかし、このLDAは意図しない箇所で警告音がなることもあり、自分の運転のスタイルと警報が合わない方が多いと思います。機能を「OFF」のままにしている方も多いという話は良く聞きますね。

そして、各社の安全装備の開発や標準化が日々進むなか、トヨタ/レクサス陣営は特に目新しい安全装備・運転支援システムをお披露目すること無く、現在(2017年初夏)に至ります。しかし、いよいよ満を持して、2017年10月に発売予定の新型「LS500/LS500h」で、標準グレードを除く全車に、世界初の機能もパッケージングした、「Lexus safety Dystem+(進化版)」を標準装備します。

※追記6/26 トヨタから公式にニュースリリースが出され、正式名称が「Lexus safety Dystem+A」と発表されました。
 advanceなどの意味があるのかもしれませんが、流石に「進化版」だと今一つなので変更されたのでしょうか?
 http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/17277039/


その「進化版」での目玉装備の一つが、レーントレーシングアシスト(LTA)。
しかし、皮肉なことに、このスバル「ツーリングアシスト」の新機能の一つがまさに、このLTA。
しかもスバルの開発者は「世界一の制御」とコメントしていることから、その制御には相当な自身があるのでしょう。実際動画を見る限り確かに実用的な機能だと思います。

「LSS+(進化版)」の目玉の一つである「LTA」はLSデビュー時に華々しくPRされると思いましたが、まさかその前にずっと安価なシステムで実現したスバル車でお披露目されるとは・・・トヨタ関係者は結構衝撃を受けたのではないでしょうか?

そのほか、先行車発進警告機能も「ツーリングアシスト」に新搭載されています。(インフォメーションディスプレイにも表示し、音声で警告)これも、奇しくも「LSS+進化版」での新機能の一つですが、これも「ツーリングアシスト」に先行されてしまいました。(しかも、スバルのツーリングアシストは停止から再始動まで「3秒以内」の場合はアクセルオンしなくても自動的に追従するというスグレモノ)

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しかし、「LSS+(進化版)」には、世界初の新型プリクラッシュセーフティシステムや、自動運転を視野に入れた、レーンチェンジアシスト(LCA)、そして世界初の24インチ大型ヘッドアップディスプレイ(HUD)などが備わっていますので、これは確かに魅力的な装備ではあります。

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これらは、スバル「ツーリングアシスト」には搭載されていませんが、わかりやすく日常的にイメージしやすいのは先行車に追従走行することも可能なアダプティブクルーズコントロールシステム(ACC)でしょうから、費用対効果の面で言えばスバルの「ツーリングアシスト」は相当有効なシステムと思います。
しかもこれをスポーティなモデルであるレヴォーグとWRX S4から投入するというのがスバルらしいですね。

レクサスは「LSS+進化版」で大きく進化しますが、新型LSでも標準グレードには装備不可能、同じ2017年発売のLCでも未対応ということを考えると、他のレクサス車種への「LSS+進化版」の標準装備化やオプション化はなかなか進まないと想像されます。
現行LSにも大変高性能なプリクラッシュセーフティシステムが装備されていましたが、(価格が超高額なこともあり)他車種には一切設定されなかったのは記憶に新しいところです。

8月のCT200hのマイナーチェンジと今秋の「RC」の年次改良でレクサス「LSS+」全車標準化がようやく達成されますが、これはせいぜい2013〜14年頃の技術が2017年になってようやく標準装備されただけに過ぎませんので、LS以外の車種におけるトヨタ/レクサス陣営の安全装備や運転支援に関する取り組みはさらに加速していってほしいものです。(その意味では、来年発売とされる新型クラウンではどうなるのか非常に楽しみにです。)

この記事へのコメント

  • たかゆき

    トヨタは技術の出し惜しみしてるのかな?
    スバルの安全装備は眼を見張るよね。
    ちゃんと実験と実証をした上で早く市場に出してる感じ

    トヨタは。。。それ以上開発は進んでるけど小出しして
    ユーザーの関心を引いて販売につなげようとする感じが見えるんだよね

    その点はスバルやマツダはすごいと思う
    2017年06月25日 21:58
  • なまっくす

    to たかゆき さん

    そうなんですよね〜
    トヨタは、残念ながら安全を「お金」で売ってる感じですね。
    安全装備については他社がやってるから仕方なくやっているという印象で、本気で事故を減らそうという取り組みをしているとは思えません。
    車種別やグレードで細かい差を付けて高いクルマを買わないといけない仕様になっているのは非常に残念です。

    特にスバルは販売の躍進にもなってますし、アイサイト、ツーリングアシストともに素晴らしいと思います。先般開発秘話をTVで見ましたが、エンジニアの思いが伝わってきました。トヨタも技術力では負けてはいないと思うのですが、会社が巨大すぎてなかなか新技術が市場にでていかないのでしょうかね・・・
    2017年06月25日 22:27

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