トヨタブランドの「ヤリスクロス」の兄弟車種と言われており、かねてから発売が噂されていましたが、ついに登場!
ネーミングの由来は「Lexus Breakthrough X-over」

日本市場でも秋頃発売とアナウンスされ、俄然注目が集まっています。
日本市場では未だに1年待ちとされる「ヤリスクロス(ハイブリッド)」の上級バージョンとも言える存在ですが、単なるレクサスのエントリーモデルというわけでなく、今までのレクサス車の「アタリマエ」をいくつかぶち壊す(ブレイクスルー)試みが行われていることに注目です。
今回はニュースリリースをもとに注目のポイントを列挙してみたいと思います。
(*トヨタグローバルニュースルーム「LEXUS、新型「LBX」を世界初公開-高級車の概念を変えるサイズのヒエラルキーを超えた次世代LEXUSモデル-」より)
https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/39233145.html
以下、特に断りの無い限りは上記URLの画像集のものを使用させていただいております。
■ボディサイズ、高さは惜しくも1560mm、ただしシャークフィンを外せば?
「LBX」はレクサス最小のコンパクトクラスのクルマですが、SUV系ということもあり、高さがきになるところ。
日本市場の機械式駐車場で問題となる「高さ制限」について、1550mmを超えていますが、一部情報では、シャークフィンアンテナを外すことで「1550mm」以下となるという情報もあり、車検証上の表記が気になるところです。
日本で一般的に使用されている機械式駐車場「ノーマルルーフ」では1550mm以内でないと車庫証明が取れないことが一般的ですから、かなり重要なポイントと思われますので、日本市場での拡販に向け、ぜひ対応してほしいですね。

■「グレード」の廃止?
長らく続いてきた"version.L"、”F SPORT” もしくは”標準”(ベース、無印)や”◯◯Package"は使用されないことが示唆されています。
その代わり、5つの世界観を持ったものを用意、その中から選択するようです。
かつて存在した、レクサス「LS」で採用された「Lセレクト」のようなイメージでしょうか?
ただ、どの世界観を選択しても外観(エクステリア)には変更はなさそうです。それはエアロパーツで差別化・・・ということでしょうか?
ここ最近のSUVモデルは「F SPORT」が人気ということもありましたが、「LBX」ではその悩みはなくなりそうです。


■名称から数値「LBX***」の廃止?
従来のレクサス車であれば、車名の後に排気量相当の「数値」が入るはずで、定番のネーミングですと「LBX200h」といったネーミングとなりますが、現時点では画像のエンブレムを見る限り、数値はなく、「LBX」のエンブレムのみ。
よって単に「LBX」という1つのパワートレーンということも考えられます。

■ナビゲーションモニターは「9.8インチ」
新世代レクサスでは「14インチ」もしくは「12.8インチ(ワイド)」が使用されていますが、レクサス「NX」の標準グレードに続き「9.8インチ」を採用するなど、差別化してきました。
ただし、デザインはタブレットのようなスッキリとしたタイプでフレームも薄く、画面も正方形に近く、うまく室内空間を生み出していますので、画面が小さいというネガティブ感は感じられません。

■レクサス初、12.3インチフル液晶メーター
すでに続々トヨタブランドでも採用が進む、12.3インチフル液晶メーターが、レクサスブランドにおいて初採用。
ただ、もう少し洗練されたデザインかと思ったのですが・・・
アナログともう少し工夫がほしいように思いますが、詳細情報に期待です。

■ウェットアームワイパー採用!
レクサスでは一部上位車種(LシリーズやRX等)にのみ採用されている、ワイパーブレードにウォッシャー噴霧部分を内蔵する機構(ダイレクトスプレー)を採用。
ウォッシャー液が飛び散ることが抑制されますので、このようなエントリークラスのクルマに採用されることは珍しいですね!これも嬉しい改良です。

■レクサストップクラスの小回りを実現!
最小回転半径が「5.2m」と、ヤリスクロスの「5.3m」を下回る数値となっており、取り回しの良さが光ります。
コンパクトクラスのクルマですから、大きめのタイヤを履いても小回りが利くのは利便性を更に高めますね。

■レクサス初の3気筒エンジン!
レクサスでは日本開業時の2005年の時点では「V6・V8エンジン」でスタート、主力は「直4エンジン」となっていますが、初の3気筒エンジンを採用です。
ヤリスクロスの兄弟車である証として、エンジンは同型の「M15A-FXE」を採用。
ハイブリッドバッテリーは「バイポーラ型ニッケル水素電池」を使用しているなど、ヤリスクロスから変化しています。

■レクサス「RZ」に続き、「単眼LEDヘッドランプ」を採用!
ハイビームシステムの進化により、単眼でも必要な機能を持つことができるようになったため、3眼フルLEDヘッドランプの採用は行われなかった可能性がありますが、レクサスといえば3眼、ということが定着していただけに見慣れない印象です。
見た目もずいぶん代わり、トヨタブランド車っぽくなっているのはかなり意見がでるのでは、と思います。
レクサス車における「3眼」の選択比率は相当に高いようですから・・・

■オーダー・カスタマイズ「ビスポークビルド(Bespoke Build」)を採用!
北米レクサスでは「LC」など一部のハイエンドモデルにおいて設定されていましたが、なんと、実質的にはレクサスのエントリーモデルと思われる「LBX」においてオーダーメイドカスタマイズ対応!
シート表皮色、シートベルト、ステッチ糸の変更に加え、「ドアトリム」や「ステアリング」、「シフトノブ」についてもカラード設定が行われていることが確認できます。
パターンは全部で33万通りということですが、「複数カラーの組み合わせの可否」や「メーカーオプション料金」も気になるところ。
ぜひ他車種への展開も期待したいですね!

■豊富なインテリカラー
レクサスといえば、豊富なインテリアカラー。
今回は「グレード」を配したことにより、インテリアカラーが選択しやすくなることが期待できますが、現時点では、「ブラック」、「ブラック×ダークグレー」の他、「サドルタン」が復活、そして近年採用が進む「ソリスホワイト」、「モーヴ」が採用されています。このほか、ビスポークビルド専用色として「オーカー」、「ダークローズ」の存在がアナウンスされていますので、少なくとも7種類のカラーが確認できます。

■ホイールに「RX」のデザインを採用!
ホイールサイズは「17インチ/18インチ」とアナウンスされていますが、その中に、「RX500h」(F SPORT Performance)で採用された新意匠ホイールを採用しています。
(2024年モデルから、RX全車でメーカーオプションとして設定予定)
従来のレクサス車では、車種ごとにホイールデザインが確定していましたが、最近は「SUVモデル」を中心にホイールデザインが一部重複する事例が出てきており、今回のLBXにおいても同様です。
なお、デザインは「3タイプ」、カラー違いも含めると「7タイプ」も準備されているなどかなりホイールの選択肢があるのも「LBX」の特徴で、これも従来のレクサスにはない傾向です。

■シート表皮にはセミアニリン本革、エルアニリン本革、ウルトラスエードを採用!
これまで、レクサス内部のヒエラルキーとして、価格帯が低めのエントリーモデルにおいては、シートの素材にセミアニリン本革やウルトラスエードが使用されることは原則ありませんでした(CT、UX、NX等)
今回の「LBX」ではそのヒエラルキーを破り、カタログモデルにおいても「セミアニリン本革」使用モデルがあるようですし、前述のオーダメイドシステム「ビスポークビルド」においては、なんと、レクサス「LS」、「LC(限定車)、「LM」にしか使用されていない最上級の本革「L-アニリン本革」を採用!

また、「ウルトラスエード」(アルカンターラ)についても、Lシリーズや一部の特別仕様車のみの専用装備でしたが、今回「LBX」で採用するなど、インテリアの質感を高めるための素材として活用されています。

■新ボディカラーを一気に5色も採用
従来のレクサス車とは大きくカラーリングが異なっています。
その代わりに定番の「F SPORT」がないことから、ホワイトノーヴァガラスフレークの設定がないほか、「〜ガラスフレーク」系「〜コントラストレイヤリング」系が姿を消しています。
新色「アストログレーメタリック」、「シルバーメタリック」、「レッドスピネル」、「パッショネイトイエロー」、「ディープアズールマイカメタリック」と一気に5色を採用。
いずれも従来のレクサス車では珍しいタイプの「赤・青・黄」カラーであり、コンパクトなボディーに似合いそうです。
(こういった点も、レクサスというよりトヨタブランドテイストを感じるところ)

■マルチカラーアンビエントライトを採用!
新型「NX」以降順次採用されている64色のマルチカラーアンビエントライトですが、「LBX」にも無事に採用されました。
次々とトヨタブランドとレクサスブランドの「見た目」の装備差が減ってきていますが、マルチカラーのアンビエントライトに関しては現時点ではレクサス専用装備となっていますね。
ドアトリムにも照明が設けられているのは嬉しいですね!

■レクサス初、岩手工場での生産
従来のレクサス車は愛知もしくは名古屋の生産が中心でしたが、今回は「C-HR」や「ヤリスクロス」でおなじみの「トヨタ自動車東日本・岩手工場」で生産予定。レクサスクオリティの匠の技がしっかりと継承させることを期待したいです。
(その意味でも、オーダーメイドの「ビスポークビルド」を設定したのかもしれませんね)
新型レクサス「LBX」、一時期は「電気自動車専用車では?」とも言われていましたが、無難なハイブリッドカー(HEV)として登場、今後のバリエーション展開も注目したいですね。10月〜11月頃発表となると、日本仕様の確定時期もそう遠くなさそうです。
同じコンパクトクラス「UX」はインテリアの質感でも不満が残る点がありますが、この「LBX」はインテリアの質感を高めるための「ビスポークビルド」を採用しますし、人気の「ヤリスクロス」の人気ぶりをみても、大ヒットとなるのは間違いなさそうです。

この記事へのコメント
うめてん
現在UXに乗っていますが基本通勤一人乗りでNXは大きくなりすぎて悩んでいた所でしたので、
LBXのインテリアの質感/先進装備を考えると有りだなと思いました。
1.5LHEVがUXと比べて非力感があるかが気になる所ですが、Bespoke buildでオーカー仕様を選択したいなと考えています。
(欲を言えばGA-C等で新コンパクトセダンが欲しいですが…)
予約時期などまた記事にしていただけたら嬉しいです。
UxKid
まーらいおん
LBXの記事拝見しました。
当方、過去にレクサスに1度も乗ったことがないのですが、このLBXにはかなり惹かれました。
見た目、内装のまとまり方が好みです。
お値段的にはどのくらいの予想になりますかね?
なまっくす
コメントありがとうございます。
このクラスのクルマの場合、おおむね、トヨタブランドとレクサスブランドの価格差は「+150万円」程度と考えておいて良さそうです。
LBXにはグレードという考えはないようですが、一番廉価なモデルで「370万円〜」メインは「400万円〜」ぐらいではないかなぁと思っております!
ヤリスクロスをベースにした3気筒エンジン搭載のHEVですから、最上級モデルでも「420万円」程度はないかと思っております。
>なまっくすさん、初めまして。
>LBXの記事拝見しました。
>
>当方、過去にレクサスに1度も乗ったことがないのですが、このLBXにはかなり惹かれました。
>見た目、内装のまとまり方が好みです。
>お値段的にはどのくらいの予想になりますかね?