発売は2023年1月9日ですので、展示車と試乗車については、年明け以降の配備となりそうです。

▼トヨタグローバルニュースルーム 2022年12月22日 LEXUS、「RC」「RC F」を一部改良
https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/38431238.html
「RC F」についてはISFから担当されていた「矢口幸彦」氏のイメージが強く、矢口氏が退任されたことで「F」は終わったと感じる方も多いのではと思います。
RCFはその後、「弦本祐一」氏にバトンタッチされ、2019年の2019年5月13日に発売した「RCF」マイナーチェンジでは、サーキット走行に特化した「Performance Package」を設定し、ベースモデルも「軽量化」を図るなど大きなマイナーチェンジを実施したのは記憶に新しいところ。
ただ、このときはすでにフラッグシップクーペ「LC」が発売し、浸透していたこともあり、特に日常使いが中心のユーザーにおいて「RCF」存在感は薄れていたというところかと思い、町中でも「後期型 RCF」の姿を見かけることは稀でした。
その後「F」の情報は途絶え、「GSF」のモデル廃止やレクサスの電動化の流れもあり、「F」の存続は絶望的と思われていましたが、新型「IS」の開発主査である「小林 直樹」氏が「RC/RCF」の開発主査に就任され、今回2023年モデルが登場したのは喜ばしい限りです。
なお、価格については、各モデルとも、「60,000円」のアップ。
ベースモデルの「RC」が基本的に「45,000円」のアップですから、コレに「電動パーキングブレーキ/ブレーキホールド」の機能が加わったと思うと、妥当(むしろ安い)値上げ幅と言えます。

改良内容はニュースリリースのとおりですが、あまり細かく触れられていない点もあるのでざっとおさらいしてみたいと思います。
■ハブボルト締結構造
「RCF」に関しては、ホイールの締結にワッシャー付きハブボルトを採用しています。先行きがあまり見通せない「RC/RCF」に採用したということは、今後の「LC」の改良(ファイナルエディション?)でもハブボルト化される可能性が高そうです。

*レクサス「RC F」カタログ P20 より
■「Dレンジパドルシフト変速制御」
「IS500」にも採用された「Dレンジパドルシフト変速制御」を改良したとこが正式にニュースリリースに表示されているのは大きなトピックスといえます。
前期型「RCF」(2014年〜2018年)は当方も所有していましたが、「Dレンジ」でのパドルシフト変速制御は、変速は遅い、ギクシャクする、連続でのシフトダウンが受け付けられないことが多いなど、高性能なスポーツセダンとしては不満の残るものでした。
2019年のマイナーチェンジモデルでもあまり違いが感じられませんでしたので、この点が2023年モデルで大幅に改良されているのであれば、日常走行での不満はほとんど無いのではと思われます。ただし、カタログ上の表記には特に違いは見られませんでした。

*レクサス「RC F」カタログ P19 より
■「ブレーキホールド/電動パーキングブレーキ」採用
ついに採用された、電動パーキングブレーキ&ブレーキホールド。
「軽量化のためや前後重量配分に影響が出る」など憶測はありましたが無事に採用されました。
これが気になって「RCF」のマイナーチェンジを見送られた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
なお、カタログ上の車両重量には変化がないようです。
■新型鍛造ホイールの採用
少量生産の「RCF」にもかかわらず、新型ホイールを設定してきました。
まずは「BBS製のスーパーグロスブラックメタリック塗装・10本メッシュスポーク」
しかし、よく見るとマイナーチェンジモデルで設定されていた「マットブラック塗装」のカラーを「スーパーグロスブラックメタリック」に変更したものであり、デザイン自体は同一です。しかし、とてもかっこいいモデルですし、このホイールを履いているRCFを見かけることはあまりないので新鮮ですね。

*トヨタグローバルニュースルーム 2022年12月22日 LEXUS、「RC」「RC F」を一部改良 より
もう1つは「RCF」発売時から設定されている「スパイラル10本スポーク」ですが、塗装の一部が「マットブラック」になり、職人によるポリッシュ加工から「切削光輝タイプ」に変更されているようです。
こちらも、前期オーナーから見ると「ちょっと違うな?」という感じで、面白い変化と思います。メーカーオプション価格に変更はありません。

*トヨタグローバルニュースルーム 2022年12月22日 LEXUS、「RC」「RC F」を一部改良 より
■「TVD」の廃止
既報通り、新型RCF発売時の最大の目玉であった「TVD」(後輪左右の駆動力制御デバイス)が廃止されました。
新型「IS」でも後輪操舵の「LDH」が廃止されていますので、開発コンセプトとして電子制御デバイスを廃した結果かもしれませんが、すでに「GSF」の生産も終了し、実質的に「RCF専用」のTVDを残しておくという選択肢はなかったものと思われます。
サーキットユースの方は「非装着」が定番ですし、装着すると重量が約「30kg」増加するというのもデメリットでした。
より上級のラグジュアリークーペ「LC」にも不採用ですし、このまま姿を消すことになりそうです。
TVDは「440,000円」と高額なオプション価格でしたが、ちょっとしたコーナリングでも効果が感じられるので気に入っていたので、廃止の寂しさはありますね・・・

■ローンチコントロールボタンの配置変更
「TVD」の廃止と「ブレーキホールド」の新採用により、スイッチ類の配置が変更されています。
ローンチボタンは右上に、そしてブレーキホールドは一番大きな面積を占めています。さすがにスイッチ部への加飾は入りませんでしたね・・・

*レクサス「RC F」カタログ P23 より
■センタークラスターパネル/エアコンパネル共通化
インテリアは、大部分が「IS」と共通化が図られました。
今までは「RC」と「IS」では若干「RC」の方が上質なパーツを使用したり、エレガントな仕上がりになっていましたが、ダッシュボードの形状やエアコントリム、ナビ/オーディオ回りは「IS」と共通化されたようです。特に「丸形」のエアコンレジスターは賛否分かれていますので、ここはなんとも言えないところです。
ただし、今となっては貴重な「アナログクロック」や「リモートタッチパッド」が残っている部分や、昔ながらのシフトノブなど、第2〜第3世代レクサスおなじみの安心した仕上がりとなっていますね。

*トヨタグローバルニュースルーム 2022年12月22日 LEXUS、「RC」「RC F」を一部改良 より
■10.3インチ「タッチ式」ワイドディスプレイ採用
こちらも「IS」での改良から遅れること2年、ようやくナビ/オーディオ画面に「タッチ式ディスプレイ」を採用。
リモートタッチパッドとの併用が可能で、ユーザーからの評判の高かった形式と言えます。

*レクサス「RC F」カタログ P39 より
なお、インテリアの大部分は共通化されましたが、ISでは廃止された、「助手席前 オーナメントパネル」はRCFでも健在です!
これは廃止されなくてよかったと思います。しかし「ホワイト」の差し色、カッコいいなぁ・・・

*トヨタグローバルニュースルーム 2022年12月22日 LEXUS、「RC」「RC F」を一部改良 より
■LEDダウンライト(カップホルダー照明)は不採用?
ニュースリリースには記載されていませんが、タッチスイッチ式オーバーヘッドランプには「LEDダウンライト」が新設定された・・・と思いきや説明書を見ると、特に記載がありません。(なぜ「IS」で採用されたものを不採用に?)これは残念です。
後期型「RC」からはドアトリムのアンビエントライトが廃止されたので、夜のインテリアは「真っ暗」なのですが、これも改善されないままとなっています。レクサス車の中でもっとも室内が暗いクルマと言えるでしょう。

*レクサス「RC」取扱説明書より(RCFも同じ)
https://manual.lexus.jp/rc/
■Lexus Safety System+2.5にアップデート
「IS」のマイナーチェンジと同様、Lexus Safety System+がver「2.5」にアップデートされました。
検知範囲が広くなったプリクラッシュセーフティシステムや、前車に追従するレーントレーシングアシストも進化するなど、先進安全装備が大幅にアップデートすることは大変喜ばしいことです。これで、旧Lexus Safety System+を採用するのは「LC」のみとなります・・・

*レクサス「RC F」カタログ P28-29 より
■無線LAN(車内wi-Fi)対応
「My LEXUS」への本格対応がおこなわれ、車内Wi-FIが「月額1,100円」で使用可能となっています。
なお、一部レクサス車で有償での後付けアップデートが発表された、「リモートエアコン」は未対応のようです。

*レクサス「RC F」カタログ P34 より
■ディーラーオプションに「セキュリティロックボルト」の設定なし
新型「RC」と同様今回の「RCF」にはワッシャ付きロックボルトが採用されているのですが、これに対応したセキュリティボルトの開発が間に合っていないのか、ホイールロックボルトの設定がありません。
これは、セキュリティ上も好ましくありませんので、早急に設定いただきたいところですし、ナンバーフレームとともに、ディーラーの収入源につながっていますので、早期開発を望みます。
(写真はISのホイールロックボルト)

*レクサス「IS」ディラーオプションカタログ より
https://lexus.jp/models/is/pdf/dealer_option.pdf
「RC F」に関しては、冒頭に記載のとおり、2022年にはほとんど生産・納車が行われていないこともあり、今回「完成形」と言える仕様になったこともあり一定のニーズがあると思われますが、各ディラーでの生産枠はかなり少ないかすでに「完売」しているものと思いますので、ご興味のある方は速やかにレクサスディーラーへご連絡されることをおすすめいたします。
(「Dレンジ制御」の改善と電動パーキングブレーキ、Lexus Safety System+のアップデートが行われたため、当方自身も少し気になっていますが、リセールバリューはあまり高くないので、悩ましいところです・・・意外に居住性や積載能力はあるので、本当にこの種のクルマが好きな方にはオススメします)

この記事へのコメント
RMX
ただ、後、ヘッドライト形状変えて、それと、RCF 500hくらい、登場させてもらいたかったです。
なまっくす
コメントありがとうございます。
MC後のRCFは個人的にはデザインも含め、あまりいい印象がなかったのですが、今回の2023年版で、一気に商品力が上がりましたね!
ヘッドライトは私もあまり好みではないので・・・(リヤも)前期ベースのほうが好みです・・・
インテリアカラーの追加もあればよかったのですが、小林主査は、(よい意味で)インテリアの質感向上には関心がなさそうな印象です。
>商品力は、確実に上がりましたねー。
>ただ、後、ヘッドライト形状変えて、それと、RCF 500hくらい、登場させてもらいたかったです。
なまっくす
なんと、ついに再開されましたか!
LCに関してはハブボルト化の話もあるので、その他の改良も行われるのか非常に興味深いところです。
>2023年版 LCも販売再開ですね。