通常、年次改良レベルでは、発売までに正式画像が公開されることはありませんが、2021年のレクサス「ES」と同様、実質的には「マイナーチェンジ」扱いということなのでしょう、北米や日本で同時発表されました。

https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/37299828.html?
https://pressroom.lexus.com/refreshed-2023-lexus-uxh-adds-performance-multimedia-safety-enhancements/
さて、事前に噂となっていたUXの2023年モデルの仕様はどうなったでしょうか?
■Lexus Safety System+2.5 相当の先進安全装備にアップデート
■新型NX/LXで採用された「新マルチメディアシステム」採用
■新型NX/LXで実施された「アナログクロック」、「リモートタッチ」の廃止
■新型NXで採用された「デジタルキー」、「リモートエアコン」、「OTA」など先進機能の追加
■マイナーチェンジに準じたボディ剛性や足回りなど基本性能の向上
■”F SPORT”の差別化
公開されているニュースリリース上の画像に基づき、変更箇所をざっと確認していきたいと思います。
■Lexus Safety System+2.5の採用
ドライバー異常時対応システムや、夜間の歩行者検知対応、交差点の右左折の検知範囲を拡大した高性能なプリクラッシュセーフティシステムを採用するなど、「新型ISやES」と同様の「Lexus Safety System+2.5」を採用して、安全装備を強化。
「2.5」ですので、新型レクサスNXで採用されている「プロアクティブドライビングシステム(PDA)」は不採用です。
なお、パノラミックビューモニターについては、路面やタイヤの位置がわかる「床下透過表示機能」を追加とのこと。

※出典:トヨタグローバルニュースルーム:2022/5/22 「新型UXを世界初公開」(https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/37299828.html)より
■12.3インチワイドディスプレイ採用
既報通り、「12.3インチ」のワイド式タッチディスプレイを採用。
デザイン的には考えっれており、「LS」のような後付感は少なく、うまくデザインされていると感じました。
なお、日本仕様においても「8インチ仕様」が導入されたのには驚きました。
新型NXでも”標準”グレードを選択される方の割合は非常に少ないのですが(当方調べ)、新型「UX」においても”標準グレードにおいて8インチモニターが採用されるものと思われます。そうなると、現行の「10.3インチ」仕様よりも大きさ的には小さくなるわけで、これはどうなんでしょう?
新型「NX」同様、”標準”グレードを選択される方はかなり少ないのではと想定される一方、UXにはエントリーモデルとして、価格面のことも考慮しグレード設定が必要なのでこうせざるをえなかったのでしょうか?

※出典:トヨタグローバルニュースルーム:2022/5/22 「新型UXを世界初公開」(https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/37299828.html)より
■現行レクサス最小となる「8インチ」ディスプレイ
第4世代レクサスでは「9.8インチ」と「12.3インチ」、「14インチ」の3サイズで展開すると予想していたのですが、まさかのトヨタブランド(ノア/ヴォクシー)と同様、現行レクサス最小となる「8インチ」のディスプレイオーディオを採用してきました。
残念なのは、現時点の新世代ナビシステムでは、「8インチ」でも十分に操作できるように、このサイズを基準にナビ/オーディオ画面が設計されていると感じることです。つまり、「14インチ」になっても表示される内容は変わらず、「8インチ」の画面を単純に12.3インチや14インチに調整しているだけ情報量はかわらないということ(大型のTVに買い替えても表示される映像がかわらないのと同じ理屈)
「アナログクロック」の代わりに鎮座するのは、ボリューム調整ノブですが、うまく周囲のパネルにブラックアウトしているように見えますが、その質感は実車でぜひ確認してみたいところです。

※出典:トヨタグローバルニュースルーム:2022/5/22 「新型UXを世界初公開」(https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/37299828.html)より
■F SPORTに標準化、パフォーマンスダンパー(リヤ)&AVS
従来F SPORTにオプションだった「パフォーマンスダンパー」がF SPORTでは標準化されます。
減衰力を可変する「NAVI-AI-AVS」とセットで、価格は「約15万円」ほどアップすると思われますが、反面"version.L"ではパフォーマンスダンパーがメーカーオプションでも選択不可となる見込みのようですから、新型「NX」と同様、「UX」でも、"version.L"と”F SPORT”の差別化が進むようです。

※出典:トヨタグローバルニュースルーム:2022/5/22 「新型UXを世界初公開」(https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/37299828.html)より
■F SPORTにアルミフットレスト採用
意外なことに今までは不採用だった、アルミフットレストをF SPORTに採用、これは嬉しいですね!(価格UPに含まれているものと思いますが)

※出典:トヨタグローバルニュースルーム:2022/5/22 「新型UXを世界初公開」(https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/37299828.html)より
■F SPORTに新型スカッフプレート
UXやISとも異なる新デザインのステンレス製スカッフプレートはかっこいいですね〜!
これは、部品交換をしたくなる既存オーナーさんも多いのでは?

※出典:トヨタグローバルニュースルーム:2022/5/22 「新型UXを世界初公開」(https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/37299828.html)より
■ボディ剛性強化
通常の年次改良では行われない、ボディ剛性の強化(スポット溶接打点追加)を実施していますので、「ほぼマイナーチェンジ」と考えて差し支えないでしょう。なお、”F SPORT”においては、ステアリングギアにブレースを追加しているとのこと。

※出典:トヨタグローバルニュースルーム:2022/5/22 「新型UXを世界初公開」(https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/37299828.html)より
■質素になったセンターコンソールパネル
これは改悪(コストダウン)と捉えられても仕方のないグレーのセンターコンソールパネル。
ヘアライン加工は廃止されたのか、かなりシンプル化されており、傷が入って経年劣化しそうで心配です。
また、いかにも後付感あるスイッチもなんとかならなかったものでしょうか・・・? 完全新規設計車なら、この場所にこのデザインのスイッチを付けることはなさそうです。これはちょっとなぁ・・・
「TAZUNA」コンセプトに移行し、スイッチを減らしたいのか、増やしたいのかわかりません。
カップホルダーまわりもヘアラインがない(ように見える)のでなんだかずいぶんチープに感じます(涙)

※出典:トヨタグローバルニュースルーム:2022/5/22 「新型UXを世界初公開」(https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/37299828.html)より
以下の写真は現行にUXですが、明らかに現行モデルのほうがクオリティ高いように見えますね・・・

■デジタルキー採用
NXに続き「デジタルキー」を採用。
エラーは少なくなったものの、まだまだ安定しているとはいえないデジタルキーですが、「シェアキー」の機能を行うものと割り切れば大丈夫です。
「スマートキー」を持ち歩く必要はない、という
メーカーオプション価格が「33000円」なのか「16500円」なのかでも評価がわかれそう?
私的には、「カードキー」と「デジタルキー」のどちらかの選択性とすればとおもうのですが・・・

※出典:トヨタグローバルニュースルーム:2022/5/22 「新型UXを世界初公開」(https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/37299828.html)より
■人気のボディカラー「ソニッククロム」採用
新型ISで採用され、それ以降人気の新ダークグレー「ソニッククロム」ですが、新型UXでも採用される模様です。

※出典:トヨタグローバルニュースルーム:2022/5/22 「新型UXを世界初公開」(https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/37299828.html)より
■人気のインテリアカラー「ヘーゼル」採用
新型NXで人気の「ヘーゼル」が採用されるようです。代わりに、こちらも人気のあった「オーカー」は廃止でしょうか?

※出典:トヨタグローバルニュースルーム:2022/5/22 「新型UXを世界初公開」(https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/37299828.html)より
■広くなった「置くだけ充電」(LED照明付き)&USB-C対応
大型のスマホにも対応した「おくだけ充電」(Qi)ですが、新型NXでは(当方もそうですが)スマホの種類やカバーによりほとんど給電されない(シビアすぎて給電が停止する)という事象が発生していますので新型UXではぜひ改善してほしいと思います。また、LED照明がついかされたのは嬉しいですね!
そして、USB-Cが全面に2個採用されるのはレクサスでは初でしょうか。今後「RZ」もそうですし、今後はこういうスタイルですかね。
私的には、こういう目立つところに端子が「むき出し」なのは高級車としてはどうかな、と思いますが。
マルチメディア用のUSB-TypeAの箇所は明らかになっていませんが、センターコンソールアームレストボックス内でしょうか。

※出典:トヨタグローバルニュースルーム:2022/5/22 「新型UXを世界初公開」(https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/37299828.html)より
■「マイセッティング」、「リモートエアコン」、「マイカー始動ロック」等先進機能
新型「NX」で採用された無償で利用できる、マイセッティング機能、スマホを使用した「リモートエアコン」、セキュリティを高めた「マイカー始動ロック」をUXでも装備、これは嬉しいアップデートです。
また、現時点では一切アップデートされていjませんが、「OTA」機能を搭載、マチメディアの表示内容や操作性の改善に加え、新機能の追加や性能向上などを行うことができる見込みです。

※出典:トヨタグローバルニュースルーム:2022/5/22 「新型UXを世界初公開」(https://global.toyota/jp/newsroom/lexus/37299828.html)より
■その他(フローティングベントコントロールイルミネーション)
未確認ですが、公開された情報を見る限り、UXの"version.L"のみに設定されていた、当時世界初の装備「フローティングベントコントロールイルミネーション」は廃止される可能性があります。
非接触給電で立体的に見えるイルミネーションで独自性があったのですが・・・コストダウンか、これも部品製造の(半導体関連?)問題なのでしょうか。
UXは夜間車内が暗いですから、”F SPORT”にも採用してほしかった・・・

■その他 (和紙調シボ/ダッシュボード)
未確認ですが、UXの特徴的な装備だった、ダッシュボード上の「和紙調シボ」が廃止された可能性があります。
現時点の画像では、ブルー、ブラック、ブラウンのダッシュボードカラーが公開されていません。
センターコンソールまわりのすっきり感と良い、もし不採用だとすると、現行モデルよりかなりチープに感じるのではと危惧します・・・ぜひ継続採用されることを期待します。

さて、レクサス新型「UX」に関しては、ナビゲィスプレイの&マルチメディア機能の刷新やLexus Safety System+のアップデートが行われますが、既存の外部メディアの廃止もありますので、価格はほとんどかわらないことが予想されます(”F SPORT”は、パフォーマンスダンパーやAVSの採用があるため15万円ほどアップ?)
ただ、昨今の情勢もありますので、あらゆる部材の価格が上昇しているため、エントリーモデルの「UX」といえど、若干の価格改定が入る可能性は否定できません。納期についても、相当な納期待ちとなる可能性もありますので、新型UXをご検討される方は、お早めに販売店への接触をおすすめします。
この記事へのコメント
うめてん
個人的にリモートタッチとアナログクロックが無くなったのは非常に残念です。
例えばBMWはタッチディスプレイと手元のダイヤル操作を
上手く両立せていますし、ここは継続してほしかったです。
レクサスの掲げる「走りの質の向上・奥深い走り」は乗らないと分からない部分ですが、
写真や現物の「見た目・質感」で興味を惹かないと試乗まで
体験する人は少ないのでは?と思っているので
内装の質素化は避けてほしいですね。
ささん
なまっくす
モニタをリニューアルするとともにアナログクロックが廃止されるのはやむをえないと思いますが、残念ですねぇ・・・
いつの日か復活する可能性はありますが、トヨタブランドの上級車と見分けがつきにくくなっているのが残念です。
タズナコンセプトとといいながら、おそらく新型クラウンも似たような内装になるのではと思います。(MIRAIも似てますしね・・・)
なまっくす
写真の段階では改良なのにチープさが目立っていますね。実車では印象が変われば良いのですが・・・
インテリアの質感はもともとUXの課題でしたが、それがほとんど改善されることがなさそうなのは残念です。
036harry
改良で改悪とは、どうしたレクサス!
タッチパッドが無くなり質感が激落ちしたシフト周りとアナログクロックの代わりに設置されたボリュームノブには落胆しました
マイナー
3年前から楽しく読ませてもらっています。
初めての書き込みです。
よろしくお願いします。
UXは内装の質感が散々言われていたのでマイナーチェンジできっちり仕上げてくるかと思いましたがこれは明らかな改悪、センターコンソールパネルだけ見ると本当にレクサスか?という感じで驚きです。
もうトヨタと変わらなくなってきましたね。
この辺はしっかり差別化しないと乗っていても萎えますね。
数年前からコスト減が目立つように思います。
UxKid
MB-E
ふと思ったのですが、レクサスUXの内装ってなぜあれだけ酷評されてるんでしょうね?
センターコンソールも高めに造ってあり、あのクラスの車の内装であれだけパーソナルなプライベート感や包まれ感のある車ってかなり貴重な気がします(例えば同クラスのGLAやX1などは実用性重視で低いです)。
立体造形的にはUXの内装は結構良いと思うんですけど(今回のマイチェンは改悪だと思います)、皆さん内装に関しては素材ばかり見て立体造形はあまり気にしないんですかね?
Eクラスから乗り換えようと思ってましたが、世間の評判を見ていると自分の選択が間違っているように思えて仕方ありません笑
なまっくす
まさにそのとおりですね・・・
発売から4年ですから、マイナーチェンジに相当する改良が行われるかと思いきや・・・
まだプロトタイプで今後見直しが行われればよいのですが・・・
原材料価格アップのせいもあるのかもしれませんが、もととも利幅が高いと思われるレクサス車なのでコスト削減が明らかな変更はしないでほしいですよね・・・
なまっくす
今思えば現行UXは、素材の質感はいまいちなところがありますが、なかななか良い機能装備を備えていましたよね。今回はUX独自の装備が削減されたおかげで、今公開されている画像の範囲ではかなり質感が落ちている印象で、これはいかんと思いますね。
アナログクロックに変わり鎮座したボリュームノブはほんとなぜあそこなんですかねぇ・・・これは「LX」もそうですが、デザイン性を疑います。
なまっくす
コメントありがとうございます!(返信おそくなりすみません)
新型NX以降の「TAZUNA Concept」ですが、これはもうトヨタブランドとデザインが似通ってきているのが残念です。タッチパネルやヘッドアップディスプレイ、ステアリングスイッチを中心とした操作形態だとだいたい同じようなレイアウトになってしまいますね。
製造コストの上昇もあるのかと思いますが、レクサスブランドでは(見た目の)質を落とすようなことはやってほしくないですねぇ・・・
実車では印象が異なることを祈ります。
なまっくす
確かに今回はハイブリッドバッテリーの換装についてはアナウンスされていませんね・・・
来年にさらなる改良があるのでしょうか、ちょっと2023年モデルの仕様には謎が残りますね・・・本来ですと確かにハイブリッドバッテリーのリチウムイオン化やバイポーラ型への換装で商品力を上げるということが考えられるのですが・・・
UXの改良リソースがあまり割り当てられていない印象です。
なまっくす
コメントありがとうございます。
特に現在UXの内装の改良についてコメントされている方は(当方も含め)UXの内装にはもともと不満があり、マイナーチェンジ見合いの今回の改良では改善されることを期待していたという点が大きいと思います。
確かにあらためて見直してみると、インパネのデザインや前席居住性などは当時の女性CEがこだわった設計であるので良好と思いますが、今回の改良ではそういった利点が失われるような改良が行われているのが目立つのが評価を下げているポイントではないかと思います。
使用頻度が高いオーディオ系のスイッチを廃止し、(AUTO制御なので)あまり使用頻度の高くないシートヒーター類のスイッチを手前に移設し、パネル自体の質感も低下、というのは評判が良くないですね。
また、アナログクロックの廃止とそれに変わるオーディオノブが目立った場所に移設されたのもデザイン的には不評な点と思います。完全新型車ではこのような配置やデザインにはしないでしょうから・・・
実車を見ると印象が変わるかもしれませんが、現時点ではコスト削減がめだってしまう改良なのが残念です。