今回は、2018年で最も販売が苦戦した(売れなかった)レクサス車 ベスト5をまとめたものを発表させていただきます。
以前、「売れた」クルマについてはレポートさせていただきました。(2018/2/8)
■2018年 最も売れたレクサス車は?(ベスト10)
http://www.namaxchang.com/article/464057815.html?1550577010
2018年度は国内開業以来最高の販売台数を達成したレクサスですが、一方販売が苦戦したモデルも存在します。
以下、ランキングです。(台数は自販連データ、雑誌"CG"掲載データを元に当方で集計)
■第5位・・・「GS300(GS200t)」・・・189台
2016年9月、GSのマイナーチェンジから1年後に登場したターボエンジンモデル「GS300(GS200t)」
GSの車格では2.5LNAエンジンや2Lターボは力不足のなのか、MC前モデル(GS250)時代から販売数が伸び悩んでおり、累計販売数はハイパフォーマンスモデルの「GSF」や1クラス上の「GS350」よりも少なく、なかなかの希少車となっています。
GS自体、2018年の年次改良では「LSS+」(Lexus Safety System+)のアップデートやナビ/オーディオの改善も行われず、販売台数的には、しばらく後継車も無しと思われます。
GS300については動力性能が近い「新型クラウン」やレクサス「ES300h」の発売の影響を受けており、販売台数の改善は見込めず月販売台数は10台〜20台レンジで推移しており、厳しい状況が今後も続きそうです。

■第4位・・・「RC350」・・・182台
2014年11月に発売された、RC350。
現在のレクサスラインナップの中では人気のハイブリッドモデル「300h」と大排気量ハイパフォーマンスな「F」との中間である「350」シリーズは、ISと同様、日本では販売不振が続き、特に「RC350」は現行レクサス車ではもっとも累計販売数が少ない車と推測されます。
2017年12月にナビ画面の大型化、LSS+の標準装備等、大掛かりな年次改良を受けたため、前年より台数が増加。(135台→182台)
2018年10月にはマイナーチェンジが行われましたが、現時点では大きな販売増には結びついていない模様。
内外装ともにセダンの「IS」とはさらに差別化が図られましたが、ベース車であるISの制約を受け、未だに足踏み式パーキングブレーキや1世代前の「LSS+」に留まるなど如何ともし難い基本設計の古さが目立つのが残念。貴重なミドルサイズのクーペですが、販売台数的には、次期モデルは廃止される可能性が高そうです。

■第3位・・・「RC F」・・・157台
2014年11月に発売された、ハイパフォーマンスクーペ「RC F」。
昨年は最も販売数が少ないレクサス車でしたが、今年度は第3位とランクアップ。
2017年12月にナビ画面の大型化、LSS+の装備等、大掛かりな年次改良を受けた成果と思われますが、この仕様のRCFはわずかこの台数しか国内に存在しないこととなります。
間もなくマイナーチェンジモデルの発売のため、どこまで販売数が戻るのか注目ですが、”Performance Package"については納期がかなり遅くなる見込みであり、予定価格が1400万円クラスのため、販売増にはなかなか結びつかないと思われます。
「GSF」と同様、基本設計や安全装備のアップデートは見送られ、事実上のラストモデルと推測されます。

■第2位・・・「HS250h」・・・135台
ランキングに入れようか迷いましたが、2018年2月に販売停止となったハイブリッド専用車「HS250h」。
2018年2月で販売停止のため、継続販売されていれば1000台近い台数が見込まれましたのでランクインすることはなかったのですが・・・
実質的に日本専用レクサス車として、根強い人気を誇っていましたが、パワートレーンの老朽化等もあるのかついに販売停止に。
乗降しやすく、近未来的なリモートタッチやヘッドアップディスプレイ(HUD)を備え、それまで高額だったプリクラッシュセーフティシステムが約14万円で装備可能となるなど、外装デザインや兄弟車SAIの存在など賛否がわかれますが、意欲作でした。
リーマン・ショック後のレクサス店を救った救世主でもあります。
「ES300h」に乗り換えされた方も結構いらっしゃるようです。
また、スポーティ路線を強めた第2世代レクサスにおいて、最後まで”F SPORT”が設定されませんでした。

■第1位・・・「IS350」・・・133台
最も販売数が少ない車種は「IS350」となりました。
(ちなみに昨年もっとも少なかった車種は「RCF」の107台)
毎月の販売数は1桁台の月も多くなり、次期ISが発売されたとしても日本での販売見込みはなさそうです。
レクサス店舗数よりも少ない販売台数となってしまったため、ここ数年、1台も販売していない販売店舗もあるかもしれません。
エンジン自体は何度か小改良が行われましたが、数値的なスペックは2005年開業当時からほとんど変化がないことと、実用燃費は高めなものの、アイドリングストップ機構や気筒休止機能がないなどカタログ上の見栄えが今ひとつなのが残念。
また、他のグレードに比べ価格が高いのは販売上のネックと思われます。(前世代のクラウン3.5Lと比べても明らかに割高)
次期ISではパワートレーンの刷新は確実に行われると思われますが、このクラスのNAエンジンを味わえるのもあと僅かでしょうか。
BMW製のエンジンが搭載されることはホントにあるのでしょうか?

売れた車ランキングでは、「NX」・「RX」等のSUVモデルの人気が鮮明でしたが、今回のランキングでは、想定されたとおり、基本設計が古めの車かつ大排気量モデルのセダン・クーペが占める結果となりました。(なお、ランキング第6位は「GS F」、第7位は「GS350」とGSのシリーズが続きます)
また、価格も高く、趣味嗜好性の高い「F」モデルよりも中間モデルの「350」の苦戦があらためて目立つ格好となりました。
なお、2013年5月発売の「IS」と2014年7月発売の「NX」は発売時期ではわずか1年少々の差ですが、その後の改良内容・装備の進化がまったく異なるのは、当初の基本設計が如何に大事かが伺えます。
今後、EVモデル・FCVモデル・ツインターボエンジン搭載モデルなどが主流になると思われますので、自然吸気の5Lエンジンのみならず、3.5Lエンジンにおいても日本市場での存続が危ぶまれそうです。
こういった中、好評な「ES300h」へよりスポーティな「ES350」の追加というのは極めて厳しい状態と言わざるを得ないのではないでしょうか。

この記事へのコメント
ZIGZAG
ちょいちょいこちらのブログ覗かせてもらってます(^^♪
LCの走行距離も未だ4000台とほぼ引きこもりな自分ですが普段使いで13年式ISを使ってまして(過去最長保有期間)今回の結果は非常に残念ですね(-_-;)
そろそろ乗り換えかと思ってますが担当が言うには2020でもマイナーチェンジに留まるとか?
セダン不人気なのは知ってますが捨てて良いカテゴリだとは思わないのでレクサスには頑張ってもらいたいと思う今日この頃
UCF30
ESのV6はどうなんだろう…FスポのV6とハイブリッドのVer.Lならきっちりキャラ分けできて良さげですが、ESにそれを求める人がいるのかどうか…FFというのもありますし。
新型ISも2,5LHVは搭載されるでしょうけど、ISはHVの需要だけではないと思うので、そこで何のエンジンをチョイスしてくるか、ですね。
はなまる
ESの前はISに乗っていたので少し残念な気持ちです。私自身、ISからの乗り換えでしたが、全く性格の異なる両者なのでIS人気の低迷はやはり「改良内容の乏しさ」が一番の原因なのでは?と思いました。
いくつかセダンを乗り継いできましたが、ISが一番取り回しが良く、色々と勉強させてもらった車でした。
柴
ということは、それなりに需要があるって事なのに・・・
モデル廃止は惜しいですね。
ぽん
車に疎いからとりあえずドイツ3衆してるのか、好きで3衆を選んでいるのか、、
Danmarino
好きでしたねぇ。この車のインパネはレクサスで1番いい出来だと思っております。今でもこの車のインパネは大好きです。
かと言って中古車で買うのはちょっと気がひけるのですが。
その代わりがESだと思っております、それにしてもちょっとでかいかなぁ。
なまっくす
ホント、ISと・GSの開発時期が悪かったですね。
まさかあそこまでコストダウンしなければならない状況だったとは・・・
ES350の要望に関しては、主にGSオーナーさまが中心なのかもしれません。ES300hでは少し力不足という意見も一定数あるようですし。
ISに関してはスポーツセダンですので、ターボエンジン系が望まれますね。ツインターボが順当なところですが・・・BMW製エンジンなら狂喜乱舞ものですが、果たしてエンジン単体の供給などありえるものでしょうか?
GSF乗り
以前にRCF乗りとコメントした者です。ほぼ、毎日拝見しています。
ちょっと質問があるのですが、ホリデーオート3月号にISFが4㍑V8ツインターボで復活という記事が載っていたのですが、実際の所どうなんでしょうか?
自分はレクサス車にISF➝IS350➝RCF➝GSFと乗り継いできていて次期ISFに相当期待している(笑)のですが。
やっぱりガセなんですかね?
なまっくす
降雪地帯だとFR専用モデルはなかなか所有し辛いですよね。
IS350は現行モデルになると本当に見かけなくなりましたね。(もっとも、エンブレムやブレーキキャリパーぐらいでしか識別ができませんが・・・)
ISに関してはぜひぜひ世間をあっと言わせるぐらいのフルモデルチェンジをしてほしいものです。
なまっくす
現行ISに関してはIS300hはなんとか一定数の販売を保っていますが、IS300,IS350と非常に厳しい状況ですね。
もともとの設計が古すぎて、改良にかかるコストがかけられないという負のスパイラルに陥っている感じで、これでは売れないのもやむなしという感じですね。
私もサイズ的にはISクラスが一番好きなので、ぜひ次期モデルでは、長く戦える仕様にしてほしいと思います。
ダイフサ
税金も高くて燃費も悪くて、おまけに車輌価格も高いんじゃ、いくら走りが良くてもなかなか食指は動きませんよね。
ES350も出して欲しいですけどね~。
なまっくす
累計販売数では、初年度にかなり売れたRCFの方が上回っているようですが、GSF発売後は、「GSF>RCF」の状況が続いていますね。RCF」にフルオプションにした場合の金額がGSFとそれほど大きく違わないこと、実用性のある4ドアセダンということで、やはり4ドアのGSFは一定の需要があるようです。
GS350も同様で、やはりこのクラスになると一定のパワーを求める層も多いというのがわかりますね。
GSは「LSS+」やナビ/オーディオ部分の改良だけでもしばらく延命できそうですが、欧州ではすでに販売停止となっていますし、Eクラス、5シリーズ、A6との戦いに(販売数では)勝てないと判断された感がありますね。もともと現行GS発売の際にも、GS発売の不要論が出た、と当時の記事にもありましたので残念ながらついにその時が来たという感じなのかもしれません。
なまっくす
コメントありがとうございます。
確かにプレミアムブランドの主力と言えるのがこのセグメントですから、日本においては再び輝きを見せてほしいものです。
現在はISと同様、A4シリーズも苦戦している状態ですが、スポーツセダンはブランドの顔ですので、ISの今後の改良にぜひ期待したいです!
なんとか今年のモーターショーでコンセプトモデルの展示があればいいのですが・・・
HSから乗り換えです。
ISかGSどちらかにしようと思っていましたが、GSのほうが運転して疲れにくいだろうということで、オーダーストップする前に思いきって購入するに至りました。
GSはよくできた車だと思うんですが、モデル廃止は残念です。
なまっくす
HSは実に未来感ある車でしたね。私もインパネ周りは好きでしたね〜
1台ぐらいこのような異質なレクサス車があってもいいように思うのですが・・・もしかしたらLF-1LImitless(LQ?)がその役割を担ってくれるかもしれませんね。
なまっくす
コメントありがとうございます。
レクサスのスポーティモデルを乗り継がれていらっしゃる方にとっては今後の展望が非常に気になりますよね。
現時点で漏れ伝わっている噂を総合すると以下のような感じと思っています。(正確なソースはありません・・・)
・ISFの後継車の計画はない
・RCFの後継車の計画もない
・GSFの後継車の計画もない
・LCFは2021年〜2022年頃に発売予定。
(その頃の景気動向・需要を見て、その後次期GSFに搭載される可能性はあるかも?)
・4Lツインターボの開発が進んでおり、LCFに搭載されるのはかなり確度が高いと思いますが、カー雑誌が予想しているように従来型のセダン(ISF・GSF)に搭載するより、いわゆるLモデル(LS,LQ等)に搭載する確率の方が高いのではと思うようになりました。
なまっくす
コメントありがとうございます。
また、GS350 version.L のご納車おめでとうございます。
やはりFRモデルならではの魅力でしょうか?
特にGSの”version.L”に関しては内装も豪華ですし、クラウンやESにない装備も多いので、あとは第3世代レクサスの装備を追加してくれればまだまだ十分な競争力を持つはずなのですが・・・2019年も年次改良が果たして行われるのかどうか、見守りたいです。
現行GSは第2世代レクサスにおいては一つの完成形といえるモデルですので、ぜひご堪能なさってください。そして、仮にモデルが廃止されたとしても、GSの名は復活してほしいですね!
GSF乗り
計画も無しですか。(呆然)
自分はLモデルはデカすぎるし値段も高すぎると思うんですよね。
何とか5㍍未満のスポーツセダンを出してもらいたいのですが。なまっくすさんの予想が当たっているのならGSFを最後にレクサス乗りを辞めるかもしれません。
時代の流れとはいえつまらないメーカーになってしまいましたね。
うめてん
先日UXが納車して高速と市街地を運転したのですが、やはり装備の有無は非常に大事だなと感じました(高速のACC+LTAの組み合わせは感動モノでした)
実の所キャンセル効くギリギリまでMC版RCにするか悩んでいたのですが、あの装備やこの機能がないんだなと考えるとUXにして良かったなと思いました。
なまっくす
火のないところに煙は・・・ということで、当初は計画があったものと思われますが、日本国内でもGSFの累計販売台数が1,500台程度、RCFも2,000台程度と思いますので、ベースモデルの全面改良もなかなか行われませんので、Fモデルの開発計画もなくなったのかもしれません。
なんとか潮目が変わってFモデルの拡充路線となればよいのですが、やはり「GR」「GRMN」の方にリソースが集まっているように感じます。
なまっくす
UXは、上位車種とほぼ同等の装備を備えたのは、英断でしたね!これは大きな差別化がされていたCT200hとは明らかに異なり、非常に良い傾向と思います。その分、コストをかけることができなかった部分が見受けられますが、あまりメディアでは話題になっていないようですね。
LTAは、ひそかに第2世代に進化し、白線内をちょろちょろ左右に動く制御がだいぶよくなったみたいですね。こういうところ、ぜひソフトウェアアップデートで既存車種も改良されればいいのですが・・・
快適なドライブをお楽しみいただいているようで何よりです。
KEN
麻呂霞
レクサスはプレミアムブランドを謳い高額の車両を販売している訳ですから、
マイナーチェンジ時でも他社より遅れているところがあればフルモデル
チェンジ並の金を掛けて改良をしてもらいたいです。
レクサスは好きなブランドなので頑張って欲しいので、今後の新車種に期待
したいです。ただ、性能UPしても大幅価格UPは勘弁…。
こぐま3
積雪地帯ゆえ、CPOでしたがIS250AWDを購入して乗っておりました。1年ほど乗りましたが、どうしても足踏みパーキングの安っぽさに慣れないのと、1速>2速へのシフトチェンジ時のショックが我慢ならず、乗り換えてしまいました。ステアリングフィール、エンジンフィール、剛性感は良かっただけに詰めの甘さが気になりました。
新しいISにはかなり期待しておりますが、年次改良後のNXをオーダーしてしまいましたので…UXと悩んでいる間に、前回の情報がいただけて大変ラッキーでした(^_^;)
あれだけの改良があったにも関わらず価格上昇は14000円程度でした。レクサスがNXに力を入れていることが分かりますね。やっぱりUXのプライス設定はちょっと高いかな、と思います。車両は6月登録予定となっておりました、早まるかもしれませんとのお話も。
まずはお礼かたがた、ご報告まで。
かざまっち
SAIとの差別化が現在のUXとC-HRほど明確ではない為にトヨタの車って感じで年配の方が乗る車のイメージがありディーラーでも当時40代の私が最年少オーナーでした。いじっても全くカッコ良くならず今見かけてもなんて不恰好の車なんだろうと思ったりします。でもこの車でオフ会に参加していろいろな人と出会えたことは良い思い出になってます。
なまっくす
お久しぶりです! え、まだ4000kmですか〜
でも複数所有ならしょうがないかもしれませんね。
IS350はホント不遇の時代を・・・
来年がフルモデルチェンジでなくマイナーチェンジだとモデル廃止論がでてきてもおかしくなさそうです。
いくらSUV系が人気があるといっても、中核セダンの評判がよくならないとブランド全体の評判はあがらないと思いますので、なんとか奮闘してほしいところです。
なまっくす
350シリーズはRXにしてもそうでしたが、非常に苦戦していますね。唯一GS350はなんとか奮闘している感じですが・・・
乗ればいいのですが、カタログスペック上の訴求点が少ないのと、店舗でもあまり置かれておらず積極的に勧めていないと思われるのも大きいかもしれません。アイドリングストップ機構などがせめてあれば・・・
LDHも、少し時代が早すぎたのかあまりPRできておらず、このままだと採用車種はLシリーズのみになってしまいそうなのが残念です。
なまっくす
レクサスの場合は、車名ごとに台数が公表されるのでどうしても目立ってしまいますね。今年度は更に台数が低減すると思いますので、2年連続最下位という可能性も高そうです。
セダンタイプの車にはあまり改良コストをかけていないのが明確になってきていますね・・・
価格も常にアップしていますし、そろそろ歯止めをかけてほしいところですよね。
なまっくす
正式なご契約おめでとうございます。
2013年のISと2014年のNXでここまで差がついてしまうとは発売当初は思いませんでしたね。
UXに関しては選べるオプションが多いだけあり価格上昇も凄いのが残念ですね。メーカーのUXしかもガソリンモデル押しが凄いので、結構早い時期に特別仕様車が出るのでは?と勘ぐってしまいます。
それにしてもNXの商品力は高いですね。ハイブリッドとターボの比率もいい感じですし。
なまっくす
HS250hは最後はひっそりと引退してしまいましたが、このモデルがなければレクサス店は非常に厳しい時期があったのも事実ですし、影の功労者と思っています。たしかにデザインは・・・年齢層も確かに高めでしたね!
後期モデルはだいぶ印象が変わりましたが、未だに前期モデルは結構街なかで見かけますので懐かしく感じます。
かつてのオーナーさんはESに移行されているかたが増えてきているようです。